1.概況
本日の日経平均は121円安の1万9274円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、ドル円が108円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は98円安の1万9297円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を40円足らずまで縮めましたが、北朝鮮の建国記念日を明日に控えて買いは限定的でその後もマイナス圏での推移が続きました。ドル円が107円台まで円高に振れると日経平均はさらに下げ幅を広げました。一時は160円安近くまで下げ幅を広げた日経平均ですが、引けにかけてやや下げ幅を縮めて大引けをむかえました。東証1部の売買代金はSQ(特別清算指数)算出日ということもあり2兆7145億円と2兆円台後半まで膨らみました。なお9月の日経225先物オプションのSQ値は1万9278円13銭でした。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は多くが下げました。売買代金トップの任天堂(7974)は1.6%高と堅調だったものの、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、安永(7271)、三菱UFJ(8306)などが下げています。大手証券が目標株価を従来の4,500円から6,500円に大きく引き上げたソニー(6758)は0.9%高としっかりでした。また、米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)のがん治療薬の臨床試験が良好だったことを受け、がん免疫薬を同社と共同開発する小野薬品工業(4528)が買われて5.6%の大幅高となりました。また、東証1部への市場変更が決定したソーシャルゲームを手掛ける東証マザーズのアカツキ(3932)も5%近い大幅高となっています。一方で昨日発表した第3四半期の決算が前年同期比12%超の営業減益となった回転寿司のくらコーポレーション(2695)は12%超の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反落して200日移動平均線を明確に割り込みました。週末の北朝鮮動向次第になるとは見られますが、来週は1万9000円の節目を保てるかが1つの焦点となりそうです。明日9月9日は北朝鮮の建国記念日とあって、さらなる軍事的挑発行為が行われるのではないかと警戒感が高まっています。来週も北朝鮮動向が主要なトピックになるとみられますが、11日に発表される日本の機械受注や13日から14日にかけて開催されるイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会、14日の米消費者物価指数(CPI)、15日の米小売売上高なども注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)