1.概況
本日の日経平均はドル円が109円台前半で推移したこともあって上値が重いなか2円安となりほぼ横ばいで取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に続伸したほか、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに5日続伸となっています。49円高の19,502円と節目の19,500円をわずかに上回って寄り付き82円高の19,535円まで上げ幅を広げた日経平均は、朝方の買いが一巡し上値が伸び悩むと取引開始30分後に下げに転じ32円安の19,420円まで下落しました。その後も小安く推移する時間帯が多かった日経平均ですが、大きく下げることなく底堅さをみせると14時半ごろからは先週末の終値近辺で揉み合う展開となり結局2円安の19,449円と小幅に反落して取引を終えています。また、膠着相場が続くなか東証1部の売買代金は1兆7447億円と引き続き2兆円を割り込んでいます。

2.個別銘柄等
本日も膠着感が強く主力銘柄に目立った値動きがみられないなか材料に大きく反応する中小型株がみられました。相次いだテロの影響で前年同期に低迷した欧州方面の海外旅行の利用者が回復したことで第3四半期(2016年11月-2017年7月期)の最終損益が88億円の黒字に転換したエイチ・アイ・エス(9603)が9.5%高と急伸し年初来高値を更新したほか、人件費など店舗運営コストの上昇や国産食材の値上がりを受けて10月1日から全商品を値上げすると発表した鳥貴族(3193)も8.2%高と急伸しています。また、日立マクセル(6810)と資本・業務提携すると発表したパソコン周辺機器のアイ・オー・データ機器(6916)が業績拡大を期待した買いで一時12%近く上げたうえ、住友商事(8053)と共同でスマホ向けアプリゲームを北米に配信すると発表したグリー(3632)も一時3%を超えて上昇する場面がありました。一方で米国のスポンジチタン製造業者から日本から米国へのスポンジチタン輸出についてアンチダンピング調査手続きの申し立てがなされたことが嫌気され、大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)と東邦チタニウム(5727)が4-5%の下落となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
先週の日経平均は、週末にジャクソンホールでのFRBイエレン議長とECBドラギ総裁の講演を控えるなか、19,500円の節目を上回ると上値が伸び悩む一方で19,400円を割り込むと200日移動平均線(先週末時点で19,297円)が意識されてか19,300円台で下げ渋るなど膠着感の強い相場が週を通して続きました。本日も先週同様の相場展開でしたが、今週も週後半に米国でPCEコアデフレータや雇用統計、ISM製造業景況感指数など注目度の高いマクロ指標の発表を控えていることから外部環境に大きな変化がないと引き続き膠着した相場が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)