1.概況
本日の日経平均は50円高の1万9434円と小幅に上昇し6日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。トランプ政権の税制改革進展期待から昨日の米国市場でダウ平均は200ドル近い大幅高となりました。米国株高に加えてドル円が109円台後半まで円安に振れたことを好感し、日経平均は163円高と大きく反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を180円近くまで広げましたがそこが1日の高値となるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を89円高で終えた日経平均は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が弾道ミサイルの弾頭などを増産するよう指示したとの報道や、トランプ米大統領が米国政府機関が閉鎖に追い込まれてもメキシコとの国境に壁を作る予算を獲得するなどと警告したと報じられたことが嫌気され後場寄り後に上げ幅を縮めました。一時は上げ幅を24円高まで縮めた日経平均はその後やや持ち直したものの、結局小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9037億円と昨日からは増加したものの引き続き2兆円の節目を下回りました。東証33業種は繊維製品や石油石炭製品、パルプ・紙など22業種が上昇しました。一方で鉄鋼や海運業など11業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しましたが、売買代金トップの三菱UFJ(8306)、2位の任天堂(7974)、6位の三井住友(8316)などは小幅に下げています。一方でキーエンス(6861)が4.5%の大幅高で実質的な上場来高値を更新したほか、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)なども堅調でした。材料が出たところでは、ニトリホールディングス(9843)が5%の大幅高となりました。昨日発表した8月の既存店売上高が前年同月比14%増と非常に好調だったことが好感されました。また、同じく8月の既存店売上高が好調だったジーンズメイト(7448)も17%近く上昇しストップ高となっています。日本金融人材育成協会を設立すると発表した資格学校を運営するTAC(4319)も18%近い大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
大きく上昇して始まった日経平均ですが、後場に出た政治関連の材料を嫌気して上げ幅を縮めました。まだ市場のセンチメントはあまり強くないようです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)