1.概況
本日の日経平均は232円安の1万9470円と大きく下落して3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場はスペインでのテロ事件の発生、トランプ政権で経済政策を担当するコーン氏の辞任報道など悪材料が重なりダウ平均は274ドル安と大きく下落しました。ドル円も109円台前半まで円高に振れるなど外部環境が悪化したことを受け、日経平均は231円安の1万9471円と大きく続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を270円近くまで広げましたがその後切り返すと一時は下げ幅を160円足らずまで縮めて1万9500円の節目を回復する場面もありました。前場を201円安で終えた日経平均は後場に入ると再び下げ幅を広げる展開となりました。日経平均は結局232円安と寄り付きと同水準で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1223億円となりました。東証33業種は海運業と食料品を除く31業種が下落しました。中でも鉄鋼や保険業などの下落率が大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.6%安となったほか、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、みずほ(8411)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)などがいずれも下げています。昨日の米国市場で発行済株式の約3割を保有するアリババ集団(BABA)の株価が大きく上昇したことでソフトバンクグループは上げる場面もありましたが結局下げて取引を終えました。材料が出たところでは、焼肉チェーンなどを展開する物語コーポレーション(3097)が3.1%高としっかりで上場来高値を更新しました。昨日発表した7月の月次売上高が好調だったことが好感されました。また、アサヒグループホールディングス(2502)も1.6%高としっかりでした。外資系証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米株安と円高という悪材料で、日経平均は大幅安となりました。日経平均の予想PERは13倍台後半とバリュエーション面からみると割安感のある水準です。ただ、不安定さのあるトランプ政権、北朝鮮問題、緩やかなペースになりそうな米国の金融引き締め政策とそれに伴うドル安など不透明材料がある中でなかなか本格的な買いが入ってきづらい局面にあると言えそうです。底値がどこにあるのか、またいつ上昇に転じるのかは誰にもわかりませんが業績好調な優良株がマーケット全体に引きずられて大きく売られるのであれば打診買いを入れても良い局面ではないかと考えています。来週は24日から26日にかけて米ジャクソンホールで行われるシンポジウムで、イエレンFRB議長およびドラギECB総裁がどのような発言を行うかに注目が集まります。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)