1.概況
本日の日経平均は257円安の1万9738円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したとメディアが報じたことで地政学リスクが意識され昨日の米国市場でダウ平均が11日ぶりに反落し、ドル円が110円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は67円安と小幅に続落して寄り付きました。北朝鮮がグアム攻撃を検討していると報じられたこともあってリスク回避的な動きが出た日経平均は寄り付き後まもなく下げ幅を280円まで広げると、その後も安値圏での推移が続きました。前場を256円安で終えた日経平均は、後場に入ると一段安となり一時は下げ幅を330円超まで広げました。その後やや下げ幅を縮めた日経平均ですが、結局257円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6976億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、非鉄金属、鉄鋼の3業種のみが上昇し残る30業種は下落しました。中でも金属製品や倉庫運輸関連、化学などの下落率が高くなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどの銘柄が下げました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.8%安となったほか、ルック(8029)、SUMCO(3436)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、信越化学工業(4063)、ソニー(6758)、メガバンク3行などがいずれも下げています。中でもSUMCOは11%超の大幅安となりました。昨日の決算発表は好調だったものの織り込み済みで、同時に約436億円を投じてシリコンウェーハ製造設備を増強すると発表したことを受け、増産によりウェーハの需給が悪化するのではとの懸念が売りを呼んだようです。材料が出たところでは、家電量販店のノジマ(7419)が16%の大幅高となりました。昨日の決算発表で大幅な増収増益となったことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
北朝鮮リスクが改めて意識され日経平均は大幅安となりました。何が起きるかわからないことを最も嫌うマーケットが、軍事衝突リスクがやや高まったとの見方からリスクオフになったということでしょう。好調な企業業績を背景に、戦争につながるような大きな問題が起きなければ日本株は早期の反発が予想されますが、夏休みシーズンということもありまずは問題の推移を見守るためにポジションを軽くするような行動が想定されるかもしれません。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)