NYダウ: 22026.10  △9.86 (8/3)
NASDAQ: 6340.34  ▼22.30 (8/3)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は前日までの堅調な地合いを引き継ぎ連日で史上最高値を更新したものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の一角に売りが出たことなどで下落しました。一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合い方向感に欠ける展開となったダウ平均ですが、節目の22,000ドル近辺で底堅さをみせると結局9ドル高の22,026ドルと8日続伸となり7日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が5ポイント安の2,472ポイントと3日ぶりに反落したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント安の6,340ポイントと続落となっています。

2.経済指標等
6月の米製造業受注は前月比3.0%増となり市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の24万件となり市場予想を上回る改善となりました。一方で7月の米ISM非製造業景況感指数は53.9と前月から低下し市場予想も下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、金融などの7業種が下げ、エネルギーが1%を超える下落となっています。一方で資本財・サービスや公益事業などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向
決算で売上高が市場予想を大幅に上回った電気自動車のテスラ(TSLA)や、同じく決算で売上高が市場予想を上回った石油大手のマラソンオイル(MRO)が大幅高となったほか、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った食品大手のケロッグ(K)も大きく上げています。また、開発中の医薬品に対し米当局が承認に前向きな判断を示したことが好感され製薬のファイザー(PFE)も買われ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。一方、決算で売上高が市場予想を下回り、通期の見通しを引き下げたイスラエルの後発薬大手のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(TEVA)が急落しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.22%となりました。ドル円は米ISM非製造業景況感指数が市場予想を下回ったことや、米トランプ政権とロシアの関係を捜査するモラー特別検察官がロシア疑惑を起訴すべきかどうかを決める大陪審を選出したと伝わったことでドルが売られ円高となりました。朝方は110円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて下落してのスタートが予想されます。本日もドル円をにらみながらとなりそうですが、日経平均が20,000円を割り込んだところで引き続き底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引終了後にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)