NYダウ: 21611.78 ▼28.97 (7/20)
NASDAQ: 6390.00 △4.96 (7/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。史上最高値を更新した後で利益確定の売りが出やすいなかで、モラー米特別検察官の捜査がトランプ大統領の事業にまで拡大していると伝わったことが重石となってダウ平均とS&P500株価指数は反落となりましたが、ハイテク株の一角が買われたことでナスダック総合株価指数は続伸し史上最高値を更新しています。午前中に60ドル安余りまで下落する場面もあったダウ平均ですが、午後にやや持ち直すと結局28ドル安の21,611ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.3ポイント安の2,473ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4ポイント高の6,390ポイントと10日続伸となり、連日で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は19.5と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で6月の米景気先行指標総合指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1万5千件減の23万3千件となり市場予想を上回る改善となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や資本財・サービス、エネルギーなどの7業種が下げました。一方で電気通信サービスや公益事業などの4業種が上げ、電気通信サービスは1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
アマゾン・ドット・コム(AMZN)との提携を発表した小売り大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)が急伸しました。こうしたなか競争激化を懸念した売りでホームセンター大手のホーム・デポ(HD)やロウズ(LOW)、家電量販のベスト・バイ(BBY)やワールプール(WHR)などが軒並み大幅安となり、ホーム・デポは4%超下落しダウ平均を1銘柄で40ドル余り押し下げました。また、決算が減益となり1株利益が市場予想を下回ったトラベラーズ(TRV)も1%を上回る下げとなり、ダウ平均を10ドル余り押し下げています。一方で投資判断と目標株価の引き上げを好感してナイキ(NKE)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに時間外取引ではマイクロソフト(MSFT)が一時一段高となりました。取引終了後に発表した決算が増収増益で1株利益も市場予想を上回ったことが好感されました。同じく取引終了後に発表した決算が市場予想を上回ったビザ(V)も一時時間外で買われています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.26%となりました。ドル円はモラー米特別検察官の捜査がトランプ大統領の事業にまで拡大していると伝わりドルが売られ、一時は111円台半ばまで円高が進む場面がありました。朝方は111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が反落となったほか、ドル円もやや円高となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で20,082円)や5日移動平均線(20,076円)をサポートに下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)