1.概況
本日の日経平均は118円安の1万9999円と3日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね下落しました。先週末と昨日の米国市場は概ねしっかりだったものの、米国の経済指標に冴えないものが多くFRBの金融引き締めペースが緩やかになるとの思惑が高まりドルが売られ円高が進んだことを受け、日経平均は44円安の2万74円で寄り付きました。日経平均は寄付の水準が1日の高値となるとその後は徐々に下げ幅を広げました。朝方は112円台後半で推移していたドル円が112円台前半まで円高に振れたことが嫌気され下げ幅を広げた日経平均は2万円の節目を割り込んで、10時半過ぎには175円安の1万9943円と1日の安値を付けました。その後やや持ち直し前場を127円安で終えた日経平均は、後場に入ると2万円の節目を挟んだもみ合いとなりました。日経平均は結局1万9999円と2万円の節目をわずかに下回って大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆1120億円となりました。東証33業種は12業種が上昇、21業種が下落しました。水産・農林業やその他製品、電気機器などが堅調だった一方で不動産業や銀行業、輸送用機器などが下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)と2位のソフトバンクグループ(9984)、東芝(6502)、武田薬品(4502)などが上昇しました。ソフトバンクグループは孫正義社長と著名投資家のウォーレン・バフェット氏が会談し、ソフトバンク傘下のスプリント(S)への投資について協議したと伝わりスプリントが大幅高となったことが刺激になったとみられます。また、同じく著名投資家のデービッド・アイホーン氏が率いるファンドが4-6月期に東芝株を購入したとの報道が材料となり、東芝は19%超の大幅高となりました。その他材料が出たところでは、人材派遣等を手がけるパソナグループ(2168)が15%近い大幅高となりました。先週末の大引け後に発表した前期業績が16%の営業増益で着地したほか、今期は26%近い営業増益予想とされたことが好感されました。また、先週末の大引け後に今期の業績予想を上方修正したステーキチェーンを展開するペッパーフードサービス(3053)も5%超上昇しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は円高進行を嫌気して反落し2万円の節目を割り込みました。今週は日銀と欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合が注目されます。また、徐々に本格化する米国企業の決算発表も注目材料となりそうです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)