1.概況
本日の日経平均は1円高の2万99円とほぼ横ばいでした。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数はそれぞれ小幅に下げています。昨日イエレンFRB議長が議会証言で性急な利上げを意図していないと示唆したことを受け、ダウ平均は史上最高値を更新しました。一方でFRBの金融引き締めペースが緩やかになるとの思惑から米長期金利は低下し、日米金利差縮小が意識されドル円は113円台まで円高に振れました。強弱材料まちまちのなか、日経平均は78円高と反発して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の高値となると、その後は徐々に上げ幅を縮める展開となりました。円高が進行したことが重石となり徐々に上げ幅を縮めた日経平均は、前場を30円高で終えました。一段の円高が進みドル円が112円台となると後場寄りから上げ幅を縮めた日経平均は、まもなくマイナスに転じて一時は下げ幅を40円近くまで広げました。その後持ち直した日経平均ですが、結局1円高とほぼ横ばいで取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9815億円と2兆円の節目をわずかに下回りました。東証33業種は2%を超える上昇となった空運業や1%超上昇したサービス業など16業種が上昇しました。一方で海運業や銀行業、ゴム製品など17業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)や2位のソフトバンクグループ(9984)、5位のエンシュウ(6218)、6位の東京エレクトロン(8035)などは上昇しました。一方でトヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)などは下げています。材料が出たところでは、熊谷組(1861)が5%近い大幅高で年初来高値を更新しました。大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。また、農業総合研究所(3541)はストップ高となりました。JAL(9201)と協力して農産物の輸出拡大を狙うこと、また株式分割を発表したことが材料視されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は米国株高と円高という強弱材料が入り混じるなかほぼ横ばいとなりました。米長期金利の低下とそれに伴う円高は日本企業の業績にダイレクトに影響を与えるためやや懸念材料です。ドル円は現状の水準であれば問題ないとみられますが、110円を割り込むような円高進行となれば日経平均も調整を迫られることになりそうです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)