1.概況
本日の日経平均は97円安の2万98円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちだったこと、ドル円がやや円高に振れたことを受け日経平均は58円安の2万137円と反落して寄り付きました。前場の日経平均はマイナス圏でやや狭い値幅でのもみ合いとなり、大きな値動きが出ないまま63円安で前引けをむかえました。朝方は114円近辺だったドル円が113円台半ばまで円高に振れたことが嫌気され、日経平均は後場に入ると下げ幅を広げる展開となりました。一時は130円あまりまで下げ幅を広げた日経平均は取引終盤にやや持ち直し、結局97円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆9817億円と2兆円の節目をわずかに割り込みました。東証33業種はゴム製品、金属製品、鉱業の3業種が上昇しました。保険業はほぼ横ばいだったほか、1%を超える下げとなった銀行業や石油石炭製品、その他金融業など29業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)はそれぞれ下げたものの、ソニー(6758)、SUMCO(3436)、KLab(3656)、エプソン(6724)などは上昇しています。材料が出たところでは、昨日第1四半期の決算発表を行った求人情報の提供や人材派遣などを手がけるディップ(2379)が11.5%の大幅高となりました。売上高が前年同期比20%近く増加したほか、営業利益も17%増と好調だったことが好感されました。また、学習塾を展開する明光ネットワークジャパン(4668)も1.4%高と堅調で年初来高値を更新しました。昨日発表した第3四半期の決算発表で大幅な増収増益となったことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行が嫌気され、日経平均は反落しました。昨日は特段の好材料がない中で日経平均は114円高となりましたが、それをほぼ吐き出した格好となっています。今夜の米国市場ではイエレンFRB議長の議会証言が行われます。イエレン議長の任期は2018年1月末に終了しますが、続投する可能性が低くなってきたと一部メディアでは報じられています。こうしたなか今後の金融政策についてどのような示唆が行われるか注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)