1.概況
本日の日経平均は20円高の2万153円と小幅に続伸しました。TOPIXも小幅に上昇しましたが、JPX日経400は下落しています。先週末に急落した新興市場のマザーズ指数は本日は2%を超える大幅反発となりました。先週末の米国市場で主要指数が高安まちまちでドル円も小動きと引き続き材料難のなか、日経平均は1円未満のプラスと横ばいで寄り付きました。日経平均は寄り付き後に60円高余りまで上げ幅を広げましたがその後は徐々に上げ幅を縮めて前場を24円高で終えました。後場に入っても方向感は出ず、日経平均は後場の高値と安値の値幅が20円強と非常に狭い値幅での推移が続き、結局20円高と小高く取引を終えました。狭い値幅の中で商いは膨らまず東証1部の売買代金は1兆7505億円と2兆円を大きく割り込む低水準でした。東証33業種は鉱業やその他製品、食料品などどちらかと言えば内需ディフェンシブセクターを中心とした19業種が上昇しました。一方で証券商品先物、保険業、海運業などの景気敏感セクターを中心とした14業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)は2.2%高と堅調で年初来高値を更新しました。三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、KLab(3656)なども上昇しました。一方で東証が東証2部への降格を発表した東芝(6502)や三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)、みずほ(8411)などは下げています。材料が出たところでは、民事再生法の申請を正式に発表したタカタ(7312)は終日売買停止となりました。タカタ製品に対する代替需要増の期待が高まり芦森工業(3526)は13%超の大幅高となりました。また、先週末に5月の月次売上高が前年比26%増だったと発表したミスミグループ本社(9962)は3%近く上昇して年初来高値を更新しました。一方で北海道を中心にドラッグストアを展開するサツドラホールディングス(3544)は5.1%安と冴えませんでした。今期の営業利益予想を10億円と前期の13億円から減少する見込みと発表したことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
引き続き材料不足の中狭い値幅での推移が続いています。今週も内外とも注目度が非常に高い経済指標の発表は多くありませんが、27日のイエレンFRB議長の講演のほか何名かの各地区連銀総裁の講演が予定されています。今後の米金融政策への思惑が為替市場の材料となりそうです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)