1.概況
本日の日経平均は51円安の1万9831円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で事前の予想通り利上げが決定され、年内にもFRBのバランスシート縮小が開始される見込みであることが明らかになりました。それらの発表が事前の予想の範囲内であったこと、また同じく昨日発表された米小売売上高等の経済指標が市場予想を下回る冴えない内容だったことで円高が進んだことを受け、日経平均は67円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めるとまもなくプラスに転じ、一時は上げ幅を80円近くまで広げました。ただしプラス圏での推移は長続きせず再びマイナスに転じた日経平均は10時半過ぎに128円安と1日の安値をつけました。前場を86円安で終えた日経平均は、後場に入るとじりじりと下げ幅を縮める展開となり結局51円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4775億円となりました。東証33業種は12業種が上昇、21業種が下落しました。上昇したのは建設業や小売業、医薬品などディフェンシブセクターが中心となりました。一方でゴム製品が3.3%安で下落率トップとなったほか鉄鋼や石油石炭製品も2%台の下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂(7974)は4.3%の大幅高で年初来高値を更新しました。15日までロサンゼルスで開催されている世界最大規模のゲームショー「E3 2017」がゲーム関連株の刺激になったとの指摘がありました。その他の売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、みずほ(8411)がそれぞれ下落しました。材料が出たところでは、TDK(6762)が2%安と軟調でした。大手証券が投資判断を中立から弱気に引き下げ、目標株価を8,100円から6,000円まで引き下げたことが売りを誘いました。一方で発行済株式総数の約6%の自己株の償却を行うと発表した石炭の輸入販売などを行う三井松島産業(1518)は0.5%高としっかりでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
FOMCは大きな波乱なく通過しましたが、冴えない米経済指標を受け今後の利上げペースがゆっくりしたものになるとの思惑が働いたのか円高が進行しました。今後は明日まで開催される日銀の金融政策決定会合が注目材料となりますが、こちらは金融政策の現状維持を決定する可能性が高いとみられています。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)