1.概況
本日の日経平均は87円高の1万9678円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場でダウ平均が141ドル高と上昇したことを受け、日経平均は79円高と続伸して寄り付きました。日経平均はまもなく上げ幅を130円超まで広げましたが、先週ドル円が113円台をつける場面があったことを考えると現在は111円台と依然として円高水準にあることから上値追いとはならず、その後は上げ幅を縮小しました。10時過ぎには上げ幅を30円弱まで縮めた日経平均は、結局前場を58円高で終えました。日経平均は後場に入ると高値と安値の値幅が30円ほどと非常に狭い値幅での推移となり、結局87円高と寄り付きとほぼ同水準での大引けとなりました。後場が非常に狭い値動きとなったことが影響してか、東証1部の売買代金は1兆9224億円と4月18日以来約1ヶ月ぶりに活況の目安とされる2兆円を下回りました。東証33業種は30業種が上昇、3業種が下落しました。中でも鉄鋼が2.5%高と上昇率トップとなったほか、その他金融業、不動産業、機械、保険業の4業種は1%を超える上昇となっています。

2.個別銘柄等
サウジアラビアと共同で発足させた10兆円ファンドを自社の連結対象に加えると伝わったソフトバンクグループ(9984)が東証1部の売買代金トップの商いを集めて2%近く上昇しました。その他の売買代金上位銘柄も概ね堅調で、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、SMC(6273)などが上昇しました。中でもFA空圧制御機器で世界首位のSMCは2017年3月末を基準日とする1株当たりの配当金を前期実績の2倍に当たる200円にすると発表したことが好感され、4%超の大幅高となりました。一方で米国子会社の競争激化懸念で先週末に大きく下げたリクルートホールディングス(6098)は本日も2%近く下げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株高を好感し続伸した日経平均ですが、東証1部の売買代金が2兆円割れとなるなど市場は様子見ムードが継続しているような印象です。米国株式市場は17日の大幅安からひとまず反発しているものの、依然としてドルの上値が重いことが日本株にとっては重しとなっているようです。今週は23日に公表予定の2018年度の米国予算案やトランプ氏とロシアの関係をめぐる通称「ロシアゲート疑惑」の進展、24日に発表される5月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨などが注目材料となりそうです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)