NYダウ: 20943.11 ▼32.67 (5/10)
NASDAQ: 6129.14 △8.56 (5/10)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ウォルト・ディズニー(DIS)とボーイング(BA)の下落が重石となったダウ平均は続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は上昇し、ともに史上最高値を更新しました。トランプ大統領が米連邦捜査局(FBI)のコミー長官を解任したことを受けての政局の先行き不透明感を嫌気して下落して始まったダウ平均は下げ渋ると昼前に前日終値近辺まで持ち直す場面もありましたが、前日終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられるとその後は軟調な展開が続き取引終盤には90ドル安余りまで売られました。引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均は結局32ドル安の20,943ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント高の2,399ポイントとなり8日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も8ポイント高の6,129ポイントと5日続伸となり連日で史上最高値を付けています。
2.経済指標等
4月の米輸入物価指数は前月比0.5%上昇し市場予想を上回りました。4月の米輸出物価指数も前月比0.2%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや不動産、情報技術などの8業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で資本財・サービスとヘルスケア、一般消費財・サービスの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高が市場予想を下回ったウォルト・ディズニーが2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、エンジンの不具合で新型機737MAXの飛行を一時中止したことを明らかにしたボーイングも1%を上回る下げとなりました。一方で原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)とエクソンモービル(XOM)が堅調でした。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回った画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)やゲーム大手のエレクトロニック・アーツ(EA)ほか、身売り先を模索していると伝わったカジュアル衣料のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)が急伸しています。旅行予約のプライスライン・グループ(PCLN)は業績見通しが市場予想を下回ったことで大幅安となっています。取引終了後に決算を発表した動画共有アプリのスナップ(SNAP)は大幅増収ながら、売上高が市場予想に届かなかったことで時間外で急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.01%高い2.41%となりました。ドル円は円安に振れ114円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円安を受けて続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均が20,000円の大台を試す展開となるかがポイントとなりそうです。また、市場予想を大きく下回る2割近い減益予想を発表したトヨタ自動車(7203)の動向が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)