1.概況
本日の日本市場は材料に乏しく様子見となるなか4日ぶりの小幅反落となりました。ほぼ横ばいで寄り付いた日経平均はしばらく昨日終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、取引開始後15分過ぎごろから売りが優勢になりその後は小安く推移しました。しかし、下値も34円安と限定的で結局24円安の19,609円で取引を終えました。東証1部の売買代金は日経平均の一日の値幅が37円に止まり今年最小となるなか1兆7814億円と昨日に続いて2兆円を割り込みました。新興市場は高安まちまちで東証マザーズ指数が続落となった一方で、昨日に22日ぶりの反落となった日経ジャスダック平均は小幅に反発しています。
2.個別銘柄等
日経平均は小動きとなりましたが、売買代金1位、2位の銘柄には動きがみられました。売買代金トップで乱高下したのが東芝(6502)で、決算発表延期との報道を受けて朝から売りがかさみ一時は9%近く下げました。しかし、関東財務局に提出した四半期報告書の再延期の申請書が承認されたと発表したことや、内部管理体制確認書を明日に東証に再提出すると発表したことなどから後場に入って急速に下げ幅を縮めプラスに転じると2%近く上げる場面もありました。引けは0.5%高となっています。売買代金で2位となったのが三菱重工業(7011)で4.9%高と大きく上げています。米カリフォルニア州のサンオノフレ原子力発電所で放射性物質を含む水が漏洩した事故を巡り、米電力会社から66億6700万ドル(約7500億円)の損害賠償を請求されていた問題で、仲裁機関の国際商業会議所(ICC)が三菱重工業の主張を認め損害賠償金を1億2500万ドル(約141億円)とする裁定を下したと発表したことが好感されました。また、自動運転関連銘柄の一角が買われました。米インテル(INTC)が先進運転支援システムを手掛けるイスラエルのモービルアイ(MBLY)を総額153億ドル(約1兆7500億円)で買収すると発表したことから自動運転関連銘柄に改めて注目が集まりました。赤外線センサーで世界シェア6割の日本セラミック(6929)が4.2%高、クラリオン(6796)が3.7%高と大きく上げたほか、パイオニア(6773)も2.0%高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
様子見というのがぴったりの一日でした。日経平均の一日の値幅が37円と今年最小ということもありますが、終値も前日比24円安と昨日との比較も小幅でほとんど相場に動きがみられませんでした。米FOMCの結果発表やオランダ議会選挙の結果、日銀の金融政策決定会合の結果発表など重要イベントが日本時間の16日に集中することから明日も外部環境に大きな動きがないとさすがに本日ほどではないにしても同様の展開となる可能性が高そうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)