NYダウ: 20858.19  △2.46 (3/9)
NASDAQ: 5838.81  △1.26 (3/9)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は金利上昇を受けて金融株が買われる一方で、原油価格の下落が重石となるなど売り買いが交錯するなかほぼ横ばいとなりました。午前中は小幅高で推移していたダウ平均ですが、午後に入って売りが優勢となり一時は80ドル安近くまで売られる場面もありました。しかし、エネルギー株が買い戻されたことから取引終盤に持ち直すと引けにかけてプラスに転じ2ドル高の20,858ドルと4日ぶりに小幅に反発してほぼ横ばいで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の5,838ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万件増の24万3千件と2週ぶりに増加し市場予想を上回って悪化しました。また、2月の米輸入物価指数は前月比0.2%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価も前月比0.3%上昇しこちらも市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケア、エネルギー、電気通信サービスなどの5業種が上げました。一方で不動産、資本財・サービス、素材などの6業種が下げ、不動産は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
決算が市場予想ほど悪化しなかった総合小売り大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)が大幅高となりました。また、決算で売上高が市場予想を上回ったネットインフラサービスを手掛けるインターナップ(INAP)や、通信機器メーカーのコムテック・テレコミュニケーションズ(CMTL)が急伸しています。一方、決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったオフィス用品のステープルズ(SPLS)が大幅安となりました。iPhone8の投入に遅れが生じるとの懸念からアップル(AAPL)や、投資判断と目標株価の引き下げを受けて製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)も軟調となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.60%となりました。こうしたなかドル円はさらに円安が進み115円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が一段と円安となっていることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。米雇用統計の発表を控えた週末で様子見となりやすいなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヵ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向も注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)