1.概況
本日の日本市場は下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が小幅に下げるなど買い材料に乏しいことから35円安の19,308円で寄り付いた日経平均はドル円がやや円高となったこともあって取引開始後1時間余りで下げ幅を三桁に広げ10時半すぎには145円安まで売られました。19,200円をわずかに下回ったところで下げ止まり小幅に切り返した日経平均は、その後25日移動平均線(19,241円)を挟んで揉み合う展開が続きました。結局、日経平均は90円安の19,254円と4日続落で取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は2兆144億円と3日ぶりに2兆円を回復しています。また、新興市場は本日も堅調で東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均は小幅に19日続伸となり連日で昨年来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
材料に乏しいなか投資判断や目標株価の変更に反応するものがみられました。連騰が続いていた日産(7201)は外資系証券の投資判断の引き下げを受けて0.3%安と小幅に下げ7日ぶりに反落となりました。さらに社長辞任のニュースで一昨日に大きく下げた三越伊勢丹ホールディングス(3099)も国内大手証券の目標株価と投資判断の引き下げで本日も4.0%安と大幅下落となりました。反対に国内大手証券の目標株価と投資判断の引き上げを受けてHOYA(7741)が2.5%高と堅調だったほか、不動産ファンドのケネディクス(4321)は国内大手証券が新規に強気の投資判断を付けたことで4.6%高と大きく上げています。また、明日に決算発表を控えている積水ハウス(1928)も決算への期待からか2.9%高と大幅高となりました。任天堂(7974)は本日も東証1部で売買代金トップと商いを集め0.5%高となり4日続伸となりました。新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売後3日間の国内推定販売台数が33万637台となり、2日間で約31万台を販売した「Wii U」と同程度の滑り出しとなったと伝わったことが好感され2.6%高まで買われる場面もありました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日は25日移動平均線が意識され、売り一巡後に25日移動平均線の攻防が続いた日経平均ですが、引けでは結局25日移動平均線を上回りました。したがって日経平均は下げ渋り底堅さをみせたといえそうです。下値を試して底堅さを確認したことで明日以降の反発が期待されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)