1.概況
本日の日経平均は65円高の1万9137円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場は下落した一方でドル円がやや円安に振れるなど強弱材料が入り混じるなか、日経平均は13円安と小幅に安く寄り付きました。前場の日経平均は寄り付き後にプラスに転じた後再びマイナスに転じる場面があるなど、やや方向感に欠ける展開となりました。前場を19円高で終えた日経平均は後場に入ると徐々に上げ幅を広げる展開となりました。一時は上げ幅が100円を上回る場面もあった日経平均は、大引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの65円高と小幅に続伸して取引を終えました。トランプ氏の大統領就任式を今夜に控えて様子見も広がったのか、東証1部の売買代金は2兆649億円と2兆円を上回ったものの今年に入ってから2番目の低水準となりました。東証33業種は保険業や石油石炭製品など25業種が上昇しました。一方で水産・農林業、その他製品、陸運業など内需セクターを中心とした8業種が下落しています。

2.個別銘柄等
原子力事業で発生する損失が5000億円を超える可能性があるとして昨日急落した東芝(6502)は本日は東証1部の売買代金トップの商いを集めて1.8%高と反発しました。東芝機械(6104)、東芝テック(6588)などの東芝関連会社も大きく上昇しました。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)、ファナック(6954)などが堅調だった一方でトヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、大塚ホールディングス(4578)は下げています。材料が出たところでは、スポンサーに法的整理の提案を受けていると報じられ昨日ストップ安となったタカタ(7312)は本日もストップ安比例配分となりました。一方でセブン-イレブン・ジャパンにコーヒーマシンを納入すると報じられた富士電機(6504)は4.4%の大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反発地合いが継続し、3日続伸となりました。いよいよ今夜トランプ氏が米大統領に就任します。就任演説や就任初日に着手する可能性があるとされている大統領令の内容に注目が集まっています。演説で減税や財政支出の拡大など景気刺激的な政策に触れれば株高圧力になりやすいとみられますが、移民の取締強化や保護主義的な貿易政策に重きを置いた内容であれば失望売りが出る可能性がありそうです。また、来週からは安川電機(6506)や日本電産(6594)などの発表を皮切りに始まる日本企業の決算発表が注目材料となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)