1.概況
本日の日本市場は小幅に反発しました。日経平均は外部環境に大きな変化がないなか、昨日まで3日続落となっていたことや三桁の下げとなった翌日ということもあって自律反発から57円高の19,358円と小幅に上昇して寄り付きました。その後115円台後半で推移していたドル円が116円台を付けたことから上げ幅をやや広げ前引け10分ほど前には100円高まで買われましたが、上値を積極的に追う動きは限定的で前場は69円高で取引を終えました。前引けとほぼ変わらずの63円高でスタートした後場の日経平均は一時84円高となる場面もありましたが、19,300円台後半で小動きとなり結局63円高の19,364円と4日ぶりに反発して取引を終えています。新興市場では東証マザーズ指数が反落する一方で、日経ジャスダック平均は小幅に6日続伸となり昨日に続いて昨年来高値を更新しています。

2.個別銘柄等
原子力発電事業の巨額損失問題に揺れるなか、金融機関向けの説明会を開き主力取引行が資金繰り支援を継続する方針を表明したと伝わった東芝(6502)が大幅高となったほか、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が製造する次世代航空機のエンジン基幹部品に軽量で高い耐熱性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維の採用が決まったとの報道を受けてSiC繊維を手掛ける日本カーボン(5302)と宇部興産(4208)が大きく上昇し、急伸となった日本カーボンは一時ストップ高となる場面もありました。一方で国内の販管費がかさんだことや円高で海外店舗の利益も目減りしたことで2016年3-11月期が減益となったエービーシー・マート(2670)や、台風の相次ぐ上陸で販売が不振だったうえ、中国の百貨店で集客が低迷したことなどから通期の業績予想を下方修正したハニーズ(2792)、6年ぶりの公募増資を発表したケンコーマヨネーズ(2915)が大幅安となり、5%を超える下落となったケンコーマヨネーズは東証1部市場で下落率3位となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は日経平均の後場の値幅が36円弱に止まるなどトランプ次期米大統領の会見を前に様子見ムードの強い一日でした。そのトランプ次期米大統領の会見は今晩、日本時間の12日午前1時から行われる予定で、米大統領選勝利後初めての会見ということもあって関心が高いことから、その発言を受けてマーケットが大きく動く可能性もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)