NYダウ: 19855.53  ▼31.85 (1/10)
NASDAQ: 5551.82  △20.00 (1/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は材料に乏しくトランプ次期米大統領の会見を控え様子見となり方向感に欠ける展開となるなか小幅に高安まちまちとなりました。下落して始まったダウ平均は50ドル安余りまで売られたところで下げ渋ると切り返しまもなくしてプラスに転じ昼過ぎに70ドル高近くまで買われましたが、上値が伸び悩むと再びマイナスに転じました。その後取引終盤に小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く結局31ドル安の19,855ドルと続落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント高の5,551ポイントと6日続伸となり4日連続で史上最高値を更新しています。S&P500株価指数は変わらずの2,268ポイントでした。

2.経済指標等
2016年11月の米卸売在庫は前月比1.0%増と2カ月ぶりのプラスとなり市場予想を上回りました。一方で11月の米卸売売上高は前月比0.4%増と4カ月連続で増加したものの、市場予想は下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち5業種が下げ、不動産が1%を超える下落となったほか、エネルギーも1%近く下げました。一方で一般消費財・サービスや金融、ヘルスケアなどの6業種が上げています。

4.個別銘柄動向
複数のスキンケア事業を仏化粧品のロレアルに売却することで合意したと発表したカナダの製薬バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)や、追加の自社株買いを発表した外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が大幅高となりました。また、市場予想を上回る2017年通期の利益見通しや自社株買いの拡大を発表したゼネラル・モーターズ(GM)も大きく上げています。一方で年末商戦が低調だったとして業績見通しを引き下げた衣料品のアシーナ・リテール・グループ(ASNA)が急落しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.37%となりました。ドル円は115円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。トランプ次期米大統領の会見を控え様子見となりやすいなか大きな方向感は出にくい一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)