1.概況
本日の日経平均は127円高の1万9401円と9日続伸し、年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が上昇し、ドル円が118円台まで円安に振れたことを受け日経平均は164円高の1万9438円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく1日の高値をつけると一時は上げ幅を90円足らずまで縮める場面がありました。その後持ち直し前場を131円高で終えた日経平均は、後場に入るとプラス圏でのもみ合いといった格好となり後場に入ってからの高値と安値の値幅は50円あまりと狭い値幅での推移となりました。日経平均は結局127円高とほぼ前引けと同水準で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆9082億円と3兆円に迫る大商いとなりました。東証33業種は金属製品や水産・農林業など29業種が上昇しました。一方でその他製品や保険業など4業種が下げています。

2.個別銘柄等
スマートフォン向けゲーム「スーパーマリオラン」の配信を開始した任天堂(7974)は、材料出尽くし感もあってか東証1部の売買代金トップの商いを集めて4%を超える下落となりました。一方で昨日の米国市場で金融株が買われた流れもあり、メガバンク3行は揃って堅調でした。その他の売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちでした。材料が出たところでは、ロシアのハバロフスク空港ターミナルビル運営事業参入に向け現地企業と最終調整を行っていると報じられた日本空港ビルデング(9706)が8%近い大幅上昇となりました。また、国内証券が目標株価と投資判断を引き上げた太陽誘電(6976)も6%超上昇しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
止まらない米株高と円安進行の流れを受け日経平均は9日続伸となりました。日経平均の終値は1万9401円、昨日のダウ平均の終値は1万9852ドルと日米とも代表的な株価指数が2万の節目を意識される水準まで上昇しています。このまま一気に節目達成となるかが年内の注目ポイントと言えそうです。また、来週は19日から20日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催されます。今回の会合では金融政策の変更はないとの見方が一般的ですが、大幅に進行している円安や米金利の上昇を受け会合終了後の記者会見で黒田総裁がどのような見解を示すかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)