1.概況
本日の日経平均は3円高の1万9253円とほぼ横ばいながら7日続伸となり、連日で年初来高値を更新しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数はそれぞれ小幅に下げています。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したことを受け、日経平均は19円高と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にわずかに上げ幅を広げて33円高と1日の高値をつけましたが、連日の上昇で過熱感が出ていることや日本時間の明日午前4時に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えているためか、買い意欲は限定的で日経平均はまもなくマイナスに転じました。一時は下げ幅を60円超まで広げた日経平均は、前場を15円安で引けました。後場に入ると前日終値を挟んだもみ合いとなり、大きな方向感は出ずに推移しました。取引終盤に小幅なマイナス圏で推移していた日経平均ですが大引け間際にプラスに転じ、結局7日続伸となりました。東証1部の売買代金は2兆5448億円となりました。東証33業種は、ゴム製品や情報・通信業など12業種が上昇しました。一方で不動産業や石油石炭製品など21業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)は2.4%高と3日ぶりに反発して年初来高値を更新しました。メガバンク3行や東京電力HD(9501)、野村(8604)などが堅調だった一方で、トヨタ自動車(7203)やSMC(6273)、任天堂(7974)は下落と売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちでした。材料が出たところでは、広告代理店大手のアサツーDK(9747)が6%強下落しました。昨日の大引け後に年間の1株配当金を100円にすると発表し、前期実績の248円から大幅な減額となったことが嫌気されました。また、外資系証券が投資判断を引き下げた第一三共(4568)も4%近く下げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今夜結果発表が行われるFOMCを前に、日本市場は様子見地合いが強まり小動きとなりました。今夜のFOMCでは1年ぶりの利上げ決定が確実視されており、注目は3ヶ月に1度示されるFOMCメンバーの経済予想(プロジェクション)に集まっています。特に注目されるのはフェデラル・ファンド金利(FF金利)の2017年末の予想で、前回9月のFOMCの際は予想の中央値が1.125%でした。これはFOMCメンバーが来年2回の利上げが実施されると予想していることを意味しています。この予想値が上方修正される、つまり来年の利上げ回数がこれまでの予想よりも上方修正されるのではないかとの見方が出ており、修正幅が大きくなれば一段のドル高が進む可能性がありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)