1.概況
本日の日経平均は95円高の1万9250円と6日続伸して年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均は上昇した一方ナスダック総合指数は下落とまちまちで支援材料になりにくく、ドル円がやや円高に振れたこともあり日経平均は34円安と小幅に反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を広げると、一時は下げ幅を90円超まで広げる場面がありました。ただその後持ち直すとプラスに転じる場面もあるなど日経平均は底堅く推移し、結局前場を29円安で引けました。日経平均は後場に入ってしばらくして再びプラスに転じると14時過ぎから一段高となり上げ幅を100円近くまで広げるとそのまま1日の高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆8389億円と3兆円は下回ったものの依然として商いが多くなっています。東証33業種は22業種が上昇、11業種が下げました。昨日に引き続き内需ディフェンシブセクターが堅調で、水産・農林業が3.7%高で上昇率トップとなったほか、医薬品、情報・通信業などが大きく上昇しました。

2.個別銘柄等
昨日同様、東証1部の売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。売買代金トップの三菱UFJ(8306)や任天堂(7974)、日本電産(6594)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも下落しました。また、SMC(6273)は調査会社のウェル・インベストメンツ・リサーチが会計処理に疑義があるとして強い売りを推奨するレポートを発表したことを受け3.5%安と大きく下落しました。一方でNTT(9432)やKDDI(9433)、NTTドコモ(9437)の通信3社が揃って堅調でした。材料が出たところでは、工場用資材のネット通販を手がけるMonotaRo(3064)が5%超の大幅高となりました。昨日発表した11月の月次売上高が前年同月比25.5%超の増加と堅調だったことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時90円超まで下げながら6日続伸と市場の旺盛な買い意欲が表れた1日となりました。明日は寄り付き前に日銀短観が発表されるほか、取引終了後の日本時間深夜に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。FOMCでは利上げが決定される可能性が高いとみられ、会合を前に様子見地合いが強まる可能性もありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)