NYダウ: 19170.42  ▼21.51 (12/2)
NASDAQ: 5255.65  △4.55 (12/2)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。米金利上昇が一服したことから金融株に売りが出たことが重石となったダウ平均は4日ぶりに反落となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日ぶりの反発となりました。小幅に下落して始まったダウ平均はわずかにプラスとなる場面もみられましたが、前日終値近辺では上値が重く一日を通して軟調な展開が続くと結局21ドル安の19,170ドルで取引を終えています。またS&P500株価指数が0.8ポイント高の2,191ポイントとなったほか、このところ下げのきつかったナスダック総合株価指数は半導体株を中心にハイテク株に買い戻しが入り4ポイント高の5,255ポイントとなっています。

2.経済指標等
11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数は前月から17万8千人増となり市場予想をわずかに下回りましたが、予想の範囲内でした。また、10月は16万1千人増から14万2千人増に下方修正された一方で、9月は19万1千人増から20万8千人増に上方修正されています。さらに平均時給は前年同月比2.5%上昇しましたが、前月(2.8%)並みの伸びを見込んでいた市場予想を下回りました。失業率は前月から0.3ポイント低下し4.6%となり9年3カ月ぶりの低水準となりましたが、労働参加率は前月から低下しています。このように11月の米雇用統計は強弱入り混じる結果となりましたが、12月の利上げの見通しを大きく変える内容ではありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち4業種が下げ、金融が1%近く下落しています。一方で7業種が上げ、不動産が1%を超える上昇となったほか、公益事業も1%近く上げています。

4.個別銘柄動向
米金利上昇の一服を受けて金融株が売られゴールドマン・サックス(GS)が1%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。反対に半導体株に買い戻しが入りインテル(INTC)が1%を上回る上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では約68万台のリコールを発表したフォード・モーター(F)や、最高経営責任者(CEO)の退任を発表したスターバックス(SBUX)が安く、業績見通しが市場予想に届かなかった銃器大手スミス・アンド・ウェッソン(SWHC)は急落しています。一方で最終損益が黒字に転じ、業績見通しを引き上げたディスカウント小売りのビッグ・ロッツ(BIG)が買われたほか、同業のバスキュラー・ソリューションズ(VASC)を約10億ドルで買収すると発表した医療機器メーカーのテレフレックス(TFX)が大きく上げています。バスキュラー・ソリューションズも小幅に上げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.07%低い2.38%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場でダウ平均が反落となったほか、ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなかレンティ首相の事実上の信任投票で憲法改正の是非を問うイタリアの国民投票は午前中にも大勢が判明するとみられますが、その結果に対するマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)