1.概況
本日の日経平均は47円高の1万8381円と小幅に上昇し7日続伸となりました。TOPIXやJPX日経400も上昇し、両指数は11日続伸しています。昨日米国市場は休場でしたが、ドル円が113円台まで円安に振れたことを受け、日経平均は54円高と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も徐々に上げ幅を広げると一時は150円高近くまで上昇しました。前場を140円高と高値圏で終えた日経平均は、週末を控えて警戒感が強まったのか後場に入ってしばらくすると急速に上げ幅を縮め、わずかなマイナスに転じる場面がありました。その後プラス圏に戻したものの14時前に再びマイナスに転じた日経平均は、一時下げ幅を45円近くまで広げました。引けにかけて値を戻した日経平均は結局47円高と小幅に上昇して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7225億円と引き続き2兆円台後半の活況でした。東証33業種は輸送用機器や精密機器など輸出関連セクターを中心に、22業種が上昇しました。一方で銀行業や不動産業など11業種が下げています。
2.個別銘柄等
昨日に引き続き自動車株の上昇が目立ちました。東証1部の売買代金トップの商いを集めてトヨタ自動車(7203)が1.5%高と続伸したほか、日産自動車(7201)が3.4%高、三菱自動車(7211)が6%高となるなど、2%近く下げたスズキ(7269)を除いて自動車各社は軒並み上昇しました。また、銀行株も昨日同様冴えずメガバンク3行が揃って下落しています。円安進行によるインバウンド消費効果を期待してか、ラオックス(8202)が6%近く上昇、オリエンタルランド(4661)も2%超上昇など関連銘柄の一角が堅調でした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
利益確定売りが出てマイナス圏に沈む場面もあった日経平均ですが結局は続伸で終わるなど、「押し目待ちに押し目なし」といった状況となっています。来週は30日に開催される石油輸出国機構(OPEC)総会が注目です。市場では減産で合意できる、できないとの見方で分かれておりどちらの結果になったとしても原油価格に大きな反応がありそうです。減産で合意できた場合も合意できた減産量によって原油価格の反応度合いは異なると見られますが、原油価格が上昇すれば一段の株高が期待できそうです。一方で原油価格下落となれば米国市場、日本市場とも利益確定売りの契機となる可能性があり注意が必要です。なお、本日の米国市場は感謝祭の休場明けで現地時間午後1時までの短縮取引となります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)