1.概況
本日の日経平均は56円高の1万8162円と5日続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数もそれぞれ上昇しました。TOPIXとJPX日経400は9日続伸となっています。昨日の米国市場でダウ平均やナスダック総合指数といった主要指数が揃って史上最高値を更新しましたが、朝方に東北地方で地震があったこともありややドル円が円高に振れたことを受け日経平均は14円安と反落して寄り付きました。前場の日経平均はプラスに転じた後再びマイナスに転じ一時下げ幅を50円超まで広げるなど前日終値を挟んだもみ合いとなりました。結局前場を6円高で終えた日経平均は、後場寄りから一段高となりました。ただ、祝日を明日に控えて大きな方向感は出づらく、後場の日経平均はやや狭い値幅での推移となりました。一時70円高近くまで上昇した日経平均は、そのまま高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1727億円と2兆円の節目は上回りましたが、トランプ氏が勝利して以降最少だった昨日よりもさらに少なくなりました。東証33業種は鉱業や鉄鋼など25業種が上昇、空運業は横ばいで残る7業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は、三菱UFJ(8306)などのメガバンク3行、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)など概ね上昇しました。ただ、売買代金3位に入ったトヨタ自動車(7203)は1%超下げています。朝方の地震発生を受け、福島原発の冷却装置が一時停止するなどのトラブルのあった東京電力(9501)は1.4%安と軟調でした。材料が出たところでは、日産自動車(7201)が米投資ファンドに株式を譲渡すると報じられたカルソニックカンセイ(7248)は10%近い大幅高となりました。また、アニメ映画「この世界の片隅に」が大ヒットの兆しを見せているとの報道を受け、同映画を配給しているテアトル(9633)はストップ高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
安く始まった日経平均ですが、結局小幅高で取引を終え5日続伸となりました。日本市場はTOPIXが9日続伸と実質的にトランプ氏の勝利以降1度も下げていません。引き続き急ピッチの上昇に対するスピード調整に警戒は怠らないようにしたいところです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)