NYダウ: 18903.82 △35.68 (11/17)
NASDAQ: 5333.97 △39.39 (11/17)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は良好な経済指標を好感して上昇しました。前日終値を挟んで揉み合う展開が続いたダウ平均ですが引けにかけて買いがやや優勢となり35ドル高の18,903ドルと反発しこの日のほぼ高値で取引を終えています。またハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の5,333ポイントと3日続伸となり、9月22日に付けた史上最高値(5,339ポイント)まで後5ポイント余りに迫っています。
2.経済指標等
10月の米住宅着工件数は年利換算で前月比25.5%増の132万3千戸と2007年8月以来9年2カ月ぶりの高水準となり市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の23万5000件と1973年11月以来43年ぶりの低水準となり市場予想を下回って改善しました。一方で11月の米フィラデルフィア連銀景気指数は7.6と前月から悪化し市場予想を下回っています。10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上昇し、金融と一般消費財・サービスが1%を超える上昇となりました。一方で5業種が下げ、不動産が1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
市場予想を上回る決算を発表した家電量販店のベストバイ(BBY)が急伸したほか、目標株価の引き上げを好感してマイクロソフト(MSFT)が堅調でした。また、良好な住宅着工件数を受けてトール・ブラザース(TOL)やレナー(LEN)、さらにホームデポ(HD)などが買われ、ホームデポはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。一方で業績見通しが市場予想を下回ったネットワーク機器のシスコシステムズ(CSCO)が5%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、決算で売上高が市場予想に届かなかったウォルマート・ストアーズ(WMT)も3%安と大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は良好な経済指標を受け0.08%高い2.30%となりました。ドル円は良好な米経済指標やイエレンFRB議長が議会証言で12月の利上げを示唆したことなどを受けて一段と円安が進み110円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加えて、110円台を付け一段と進んだ円安を好感して本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は1月6日以来の18,000円回復となりそうで、節目を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)