1.概況
本日の日経平均は1円未満の上昇とほぼ横ばいでした。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数などその他の主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場がダウ平均は下落、ナスダック総合指数は上昇と高安まちまちで支援材料になりにくいなか、円安進行が一服となったこともあり日経平均は95円安と反落して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きがほぼ1日の安値になるとその後は徐々に下げ幅を縮める展開となりました。10時過ぎに日銀が固定利回りで国債を買い入れる「指値オペ」を行ったことが材料となりやや円安が進んだことを受け、日経平均は一時プラスに転じるとその後再びマイナスに転じたものの、結局前場を1円高で終えました。後場寄りから再びマイナスに転じた日経平均ですが大きく下げ幅を広げることなく推移すると引け間際に僅かにプラスに転じ、1円未満の上昇で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4285億円と昨日からやや減少したものの引き続き2兆円を上回る高水準でした。東証33業種は空運業や鉱業、食料品など23業種が上昇しました。一方で証券商品先物、保険業など10業種が下げています。

2.個別銘柄等
昨日まで大幅に上昇していたメガバンク3行が本日は揃って反落しました。三菱UFJ(8306)と三井住友(8316)は1.4%前後、みずほ(8411)は0.5%強下げました。その他にもトヨタ自動車(7203)、KDDI(9433)、富士重工業(7270)などは小幅に下げています。一方で任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、JT(2914)の3社は上昇しました。また、昨日発表された10月の訪日外国人客数が前年同月比16.8%増の213万人とまずまず好調だったことから、インバウンド関連の一角が買われました。JAL(9201)やANA(9202)が2%前後の上昇となったほか、京急(9006)、JR東日本(9020)、JR東海(9022)などがそれぞれ堅調でした。その他材料が出たところでは、脂肪を燃やす「褐色脂肪細胞」の量産技術を開発したと報じられたアイロムグループ(2372)は今後の業績拡大への期待感から買われストップ高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は1円未満の上昇とほぼ横ばいでした。リスクオン傾向は強く押し目では買いが入る一方で短期的な急上昇への警戒もありその綱引きといったところのようです。今夜は米国でトランプ次期大統領と安倍総理の会談が行われます。トランプ氏の実質的な外交デビューとあって、世界各国から大きな注目を集めているようです。また、イエレンFRB議長による議会証言も予定されており、12月利上げへの言及があるかどうか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)