日米欧の金融政策のイベントが通過し、今週は再び材料不足の週です。米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通りに政策金利が0.25%引き上げられ、年内の利上げ回数の見通しはあと2回(通年では4回)に上方修正されました。CMEのフェド・ウォッチが示す年4回の利上げ確率は、利上げ公表前の75%から80%台に上昇。ただ、長期金利の上昇が限定的であることや、米中貿易問題を材料に円高圧力が強くなっており、日経平均は23,000円を前に下向きに変わっています。貿易摩擦が米国や中国(日本も)の実際の経済にどう影響してくるかが読みづらい中、日本株は特に中国関連といわれている銘柄の下げが目立ちます。同じタイミングにして、中国の経済統計の「水増し」報道。米シティグループが算出しているエコノミックサプライズ指数でみると、6月に入ってからは経済指標の結果が市場予想を下回るマイナス方向に転じているのがわかります。23,000円が壁になった要因の1つですね。

さて、日経平均は22,400円~22,500円水準でのサポート力が試されます。一目均衡表などの基準線(22,491円 6月18日)や雲上限、50日移動平均線(22,400円 同)などで下げ止まれるかが焦点となります。気になるのは、下落基調にある100日線(22,165円 同)に引き寄せられるように下げが続くのではないかということ。ただ、75日、100日、200日線が22,000円付近に集まりつつあり、その水準が目先の限界水準のような気もします。仮に、そこまで下げても反転し、再び23,000円近くまで戻る波形になっていくと、パターン分析でいうところの5月21日高値を起点とした「上昇フラッグ」が相場想定できそうです。

 

一方、今日マザーズ市場に上場したメルカリ(4385)は5,000円で初値を付けた後も上値を伸ばし、ストップ高(6,000円)まで買われました。マザーズ市場の売買代金が6月は増加する経験則があることも、今年も結果的にはメルカリ1社で説明できそう。

何かが変わることに期待したいところですが、続く6月20日上場のログリー(6579)や6月21日上場のZUU(4387)の初値形成には影響があっても、市場全体への波及は少し厳しい。図表でご覧の通り、年初からの国内主要指数の値動きをみると、日経ジャスダック平均は日経平均と同じように年初来でほぼ横ばいで推移していますが、マザーズ指数は1月高値からの急落直後の安値を切り下げており、下落トレンドが続いているためです。ただ、今のタイミングで、5月高値さえ上回っていれば、多少の効果は見込めたような気がします。あとは、日経ジャスダック平均が先に5月の高値水準を超え、引っ張ってもらうしかありません。

 

 

 

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