円安・株高がじわじわ進んでいます。目の覚めるような動きには至っていませんが、ECB理事会(4月26日)や南北首脳会談(4月27日)など大きなイベントを控える中、日経平均は22,000円台を回復してきました。米中貿易戦争への懸念や地政学リスクを織り込みながら、一部の主力大型株が緩やかに戻り歩調を強めています。
4月第1週の投資主体別売買状況では、海外投資家が現物・先物合算ベースで13週ぶりに買い越しに転じ、4月第2週も同規模の買い越しが続きました。第3週もおそらく買い越し?国内企業の3月期決算の発表が始まり、ドル/円相場が1ドル=109円台になってきたことも追い風のよう。米長期金利も日柄調整を経て再び上昇してきており、米国株もこなれてくれば、しっかりした推移になってくることが予想されます。

さて、動きだした為替市場ですが、今晩のECB理事会が注目です。ユーロ/ドル相場を一目均衡表でみると、ユーロ安・ドル高方向に雲を微妙に下回ってきており、最近では珍しい動きが出てきています。ただ、3月1日に付けた1ユーロ=1.2153ドルは下回っていません(4月26日、11時38分現在)。なので、ドラギECB総裁の発言内容次第では、ユーロ高の方向にいったん戻る可能性も高そうです。
一方、3月の声明では、ユーロ圏の経済が予想よりも速いペースで拡大すると予測しているとして、景気判断を一歩前進させました。しかし、足元の欧州の経済指標には弱いものが目立ってきています。図表は、シティーグループが算出しているエコノミックサプライズ指数というもので、経済指標の結果が市場の事前予想を上回っていればプラス方向、事前予想を下回っていればマイナス方向に推移していきます。両サイドに広がるほど驚きが大きいことを意味します。

 

 

 

状をみると、欧州の数値が極端に弱くなっており、2012年6月以来の水準まで低下しています。私はマクロ経済の専門ではないですが、3月の欧州自動車販売が前年比で5.2%減ったとか、カーニー英中銀(BOE)総裁が、「どの利上げも段階的で、ブレグジットが利上げを遅らせる可能性も」などと発言したことでポンドが不安定になるなど、欧州景気はどうなの?と思わせるような事象がいくつかみられます。
これまた上記とは逆になりますが、ドラギ総裁の発言次第では、ユーロ/ドル相場を下押す材料になるかもしれませんね。ステルス・テーパリング(ひそかに量的緩和を縮小すること)に対するコメントなどにも注目です。

さて、ゴールデンウィークは、ジャカルタ、シンガポール、クアラルンプールの順に訪問し、「Forecasting Asian stock market on "Ichimoku"」というテーマで、現地の投資家向けにセミナーを行ってまいります。ご興味は薄いかもしれませんが、5月中の当コラムで現地の様子などをご紹介できればと思っております。

今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。