日経平均の上昇はいつまで続くの?と聞かれることがよくありましたが、「短期的には過熱感があるため、そろそろ頭打ち・・・」と言いながら、何日が経ったものでしょう。
腰の入った上げ相場はとことん強いとはわかっていても、弱気相場に慣れきっている50歳前後(以下)の証券マン(筆者も元証券マン)にはついていけない。
11月7日のオプション市場では、日経平均の権利行使価格23,000円コールが朝方の8円から一時120円まで上昇する場面がありました。1日で15倍です。日経平均がバブル崩壊後の戻り高値である1996年高値(22,666円)を上回り、92年1月以来およそ25年10カ月ぶりの高値となった日です。TOPIXも翌日、バブル崩壊後の戻り高値(1,816P)を上回りました。両指数が同じタイミングで高値を更新したことは、日本株全体の方向性の確認として重要なことといえます。
というのも、2007年にかけての上昇相場の際、TOPIXは過去の高値を上回った一方、日経平均は過去の高値を1つも上回れずでした。その後は悪材料があったにせよ、日本株全体の低迷につながりました。2015年にかけての上昇相場の際も、日経平均は過去の高値を上回った一方、TOPIXは上回れず。同じく、日本株全体の低迷につながりました。
今回、高値同時ブレークで日本株は中長期的に新たな局面入りとなった可能性が高く、バブル高値を目指す波動は時折加速する場面をみせながらの動きが予想されます。
一方、目先的には、週末に控えるSQ算出前後が相場の分岐点になってきたことも少なくありません。23,000円以上なども見込まれる高いSQ値に加え、週足では「9週目(基本数値)」の上昇となる点にも注意したいところです。
さて、指数の歴史的な戻り高値更新と同等レベルで、個別株での重要なポイントとなるのは、今回の決算、あるいは来期あたりまでの業績見通しを織り込みながら、過去の重要な高値を超えていけるかが1つです。
トヨタ自動車(7203)が7日に決算を発表しました。自動車(トラック含め)のところでは決算がほぼ出揃ったことになりますが、例えば、いすゞ自動車(7202)に注目してみます。まだ、株価は2013年以降の高値更新とまではいってないですが、月足の一目均衡表でみると、トヨタ自動車とは違って、遅行スパンが好転してきている。だからこそ決算への株価の反応がいいといえるわけで、注目に値するとみています。
図表の相対チャートはこのコラムでも何度か出してきました。バブル時よりも低い株価水準で、これまで大きな相場がなかった、でも最近の高値を超えていきそうな、いすゞ自動車に上昇余地はあるとは思いませんか?2007年高値からゆっくり高値と安値のレンジが小さくなっているホンダ(7267)の動きも悪くない。ここからは、北米での乗用車よりも、新興国向けに何か強力な武器があるところに目を向けよ!ということでしょうか。
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東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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