日経平均の連騰記録は16日連続で途切れてしまいました。まさか、10月相場は負けなしで終わるのか?と思ったときもありましたが、そうは簡単にはいきません。この16連騰が次に更新されるのは、何年後になるのでしょうか?

昨晩はマネックス証券のオンラインセミナー、「マンスリーチャート講座」の講師を担当させていただきました。ご聴講いただいた方にお礼申し上げます。そこでお話させていただいた内容の一部を交えながら、今回は記述したいと思います。

さて、日経平均は7月の極小値幅(344円幅)から、2カ月後の9月相場で1240円程度の値幅が出現しました。今年も収れん相場から生まれる、「1000円高下の法則」が当てはまったわけですが、10月もここまで続くとは思いませんでした。
図表をご覧いただきますと、10月相場では2015年の高値(20,868円)のフシを上回るという大きな変化がありました。今年4月の急落時には、筆者がとても重視している2007年高値(1,8261円、右側の矢印で示した平行の点線赤ライン)付近で下げ止まり、高値を超えてきたことが大きい。しかも、過去のフシを連続高で超えた意味はそれなりに大きいです。投資家のスタンスにも大きな変化が生じることが予想されます。つまり、高値を更新する前は、戻り売りのスタンスだったものが、押し目買いのスタンスに変わる可能性が高い。そういったスタンスの投資主体が増えるほど、下値が堅くなるはずですよね。短期的な調整局面でも、2015年高値などがまずは下値のフシとして意識されると思います。

売られ過ぎや買われ過ぎを判断するオシレータ系指標に、RSI(相対力指数)というものがあります。特定期間の値上がり幅の合計を、値上がり幅と値下がり幅の合計で割って求めます。つまり、特定期間中すべての日が上昇したら100%、すべての日が下落したら0%となります。採用する期間にもよりますが、70%以上を買われ過ぎ、30%以下を売られ過ぎと判断します。日経平均が16連騰するなかでは、9日や14日を採用期間としても100%が続くためあまり意味がなく、26日でみていました。RSIの26日は26連騰なら100%になるので、今回は100%には達していません。しかし、異常な水準まで上昇したのは確かです。10/18に90%、10/24は92%まで上昇しました。
実は、上昇相場で90%を超えたのは1989年以降で3回あります。1回目は1989/12/14に90.5%まで上昇し、数日後の12/29に終値ベースで史上最高値(バブル高値38,915円)を付けました。2回目は昨年のトランプラリーの時です。2016/12/16に91.6%まで上昇し、2営業日後に高値(12/20 19,494円)を付けました。3回目となる今回も、まもなく株価が高値を付ける可能性が高いといえます。高値から調整後にすぐに上昇するケースもあるでしょうけど、ご案内の通り、バブル高値からは長期下落相場へ、トランプ相場時の初動の高値からは3カ月程度のモミ合い相場を強いられました。
バブル時代のような調整はないでしょうけど、短期的にはトランプ相場が一巡したあとのような、方向感のない局面に入っていくかもしれません。

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東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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