最初に皆様にメッセージがあります!
私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では「テクニカル分析についてもっと学びたい」という読者の方々のために、有名な「ボリンジャーバンド」の開発者であるジョン・ボリンジャー氏を、東京(11月18日土曜日)と大阪(11月25日土曜日)にお招きし、セミナーを開催いたします。もちろん、日本語の通訳もつきます。
ボリンジャー氏が自ら開発した「武器」を使って日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか? 今後は上昇でしょうか、それとも下落でしょうか。実は、筆者もボリンジャー氏を囲むパネルディスカッションのパネラーとして参加し、意見させていただきます。
ご興味のある方は、こちらから、ぜひお申し込みください。
http://www.ntaa.or.jp/mw_wp/jb-conference(外部サイトへ遷移します)
※詳細につきましては、当協会ホームページにてご案内しております。

日経平均は2万円に手が届く水準まで来たかと思えば、「北朝鮮軍」が再び株式市場に売り圧力を浴びせてきました。9月9日の北朝鮮の建国記念日を前に「何かやる」とは思っていたため、3日の行動自体は驚きではありませんでしたが、週明け4日の日経平均は一時19,500円割れ。今回の大規模な核実験に続き、ICBM(大陸間弾道ミサイル)のグアムや米西海岸の近くに向けた発射など、追加的な挑発行為があるかもしれません。それらを警戒し、日本株には「地政学リスク」を理由に海外投資家によるヘッジ売りが続いているようです。北朝鮮情勢だけが理由ではありませんでしたが、5日のNYダウは前週末比で234ドル安で終了。ドル/円も再び1ドル=108円台に入りました。

一方、世界景気は堅調です。筆者がいつもみている、アメリカと中国の製造業PMI(購買担当者景気指数)の合計は8月は110.5と、2011年4月以来の水準まで上昇しました。ただ、連動するはずの日経平均は弱含み。地政学リスクが邪魔をして株価の反応が遅れているだけならいいのですが、先見性があるといわれる株価が景気のピークアウトを予見していたとしたら、地政学リスクで下げたように思われている今の局面では、「押し目買いは正しくない」とうことになります。今年もやっかいな9月相場入りとなりました。

今年に入ってからの東証1部の売買代金を、日経平均の200円刻みの価格帯別で分けてみますと、19,900円~20,100円の水準が78兆円と最も多く、直近の8月29日の安値(19,280円)は2番目に多い58兆円の19,300円~19,500円の水準で支えられました。つまり、2万円付近からは上値が抑えられやすく、19,400円付近からはサポートになりやすいといえます。19,900円以上で推移した6月~7月の1日あたりの売買代金が2兆3,000億円程度ですので、今後その程度まで売買代金が増えれば、4月17日安値からの上昇局面のように年初来高値(20,318円)を一気に更新していく可能性が高まります。
一方、2兆円を下回るような低迷が続くようですと、早々に2万円突破は難しく、当面はよくてボックス相場か。8月29日の安値(19,280円)を明確に下回るようだと、10月に向けてもっと下げることが予想されます。

あと、日経平均は中期の上値抵抗や下値サポートになるといわれる200日線を意識して動いているようにみえます。ただ、「200日」というキッチリとした数値にあまりこだわる必要はないと思います。実は、200日前はトランプ相場が始まった直後になるため、あと1カ月程度たつと、当時の株価は今の水準とあまり変わらなくなり、200日線の上昇は止まります。なので、今、一時的にサポートになる可能性はあるにせよ、戻りが鈍ければ下値サポートとしての機能は薄れてきます。そこで、他に注目してもいいと思うのは、52週線です。日ベースでいうと240日前後、なので、まだ200日線よりも上昇トレンドが長持ちしそうな230日線、240日線、250日線の3本の移動平均線を束ねた帯のように捉え、上値抵抗や下値サポートの水準と判断してもよさそうです。9月5日時点でいいますと、18,974円~18,803円です。
終値ベースで高値をつけた3月13日(19,633.75)→安値をつけた4月14日(18,335.63)までが1,298.12円の下落幅、直近高値をつけた6月20日の終値(20,230.41)から同じ幅下げるとすると、18,932円となります。