5月に入りました。「今年はセル・イン・メイ(5月に株を売れ!)の相場格言が当てはまると思いますか?」とたまに聞かれます。しかし、「ここまで足元上昇すると反動で安くなる」と答えたいところなのですが、こんなに欧米株式市場が高値のフシなく上昇している最中、変な弱気も禁物です。なので、「5月もこの調子で上昇するでしょう」と言いたくもなる。かなりの迷い、でも、8日放送のモーサテサーベイ(出演者に週末の日経平均の水準を予想するアンケート、200円刻み)の結果をみると、今週末(12日)の予想を20,200円までの最高位に挙げたのは、私オンリー(汗)。ほとんどの方の回答が強気でしたが、2万円に固まっていたようです。普通ならば2万円に届かないか、楽勝で超えることになるのでしょう。
さて、9日の夜の日経CNBCで採り上げた内容なのですが、伝え切れなかったので、お話させていただきます。日本フードサービス協会が発表している、外食産業の業態別の月次売上動向をみると、ファーストフードが16カ月連続で前年比プラスを続けています(鶏肉問題でマクドナルドが低迷した反動の影響が大きい)。一方、ファミリーレストランは、2015年までの良かった反動もあって、足元低迷が続いている状況です。
そのファミレスなのですが、比較的大きい、すかいらーく(ガスト、バーミヤン、ジョナサン)、サイゼリア、ロイヤルホストの直近2年程度の既存店売上の推移をみると、すかいらーくやロイヤルホストはマイナスになったり、プラスになったりと不安定ですが、その一方でプラス基調を続けているサイゼリアの堅調さが目立ちます。同じ期間の株価の推移でみても、ここ数年の高値を上抜けているのはサイゼリアだけ。チャート面からも注目できる企業といえそうです。
やはり、「安い」が何と言ってもポイントなのか。娘いわく、加えて「おいしい、早い、量がちょうどいい」のと、お腹一杯食べても、会計伝票みると安いから、ついついデザートまで注文してしまう、そういったマジックに掛かる来店客が多いとか・・・
一方、好調なファーストフードですが、そこに入るかは別にして、4つのカテゴリーに分け、平均株価を指数化してみてみました(図表)。4つのカテゴリーとは、「牛、バーガー、めん、すし」です。「牛」がトップを快走、そのあとを「バーガー」が追うかたちになっています。そのあとが、「めん」、「すし」と続く。私の感覚ですが、やはり、一食当たりの安さの順にパフォーマンスが良いような気もします。なかでも注目したいのは、出遅れていながら、過去の高値をブレークし始めた「めん」です。
「めん」の4社、2月決算、3月決算はありますが、すでに決算発表を終えたハイデイ日高とリンガーハットの2月決算銘柄でも、実は今期の会社計画は、人件費の膨張などもあるのでしょうか、さほど魅力的なものではありません。一方、3月、4月と足元の月次は2社とも良いスタートを切っています。そういった点では、「めん」の株価は良い方向に織り込み始めているのかもしれません。
さて、5月20日(土)、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のために、セミナーを福岡(博多)で開催いたします。講師はなんと、先述のジョン・ボリンジャー氏です(今秋は東京・大阪でも開催予定)。もちろん、日本語の通訳もつきます。
ボリンジャー氏が自ら開発した「武器」を使って日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか? 今後は上昇でしょうか、それとも下落でしょうか。ご興味のある方は、NTAAのHPから、ぜひお申し込みください。
http://www.ntaa.or.jp/mw_wp/jb-conference(外部サイトへ遷移します)
東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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