ダウ平均は10月23日、200日移動平均線(以下、200日線)を上回りました。短期的には原油安を理由にしたエネルギー関連株の下げが下押し要因となる可能性はありますが、200日線を超えたことで強気サインが点灯したことになります。
大型株が主体のダウ平均は米主要指数の大半が9月16日前後に付けた戻り高値を先駆して上回り、世界の株式市場の上昇を主導しました。5月19日に付けた史上最高値(18,351ドル)から8月24日安値(15,370ドル)までの下落幅2,981ドルに対して、10月28日高値(17,779ドル)までは61.8%(黄金分割比率)を上回る80%の強い戻りとなり、18,000ドルの大台が視野に入ったといえます。

短期的な上値メドは、9月17日高値(16,933ドル)から9月29日安値(15,942ドル)までの調整幅(991ドル)を、高値に加えたV計算値17,924ドル前後が考えられます。5月19日高値と7月7日安値(17,465ドル)の中値17,908ドルに近いことや、5月高値以降で形成される右肩下がりの上値抵抗線レベルでもあり重要なフシです。
200日線と上値抵抗線との間でしばらくもみ合いを続ける展開も考えられますが、上放れとなれば年内のうちに一時的にでも史上最高値更新はありえる。
上値の目安は、8月24日安値から9月17日高値までの上昇幅に対するE計算値18,496ドル。ただ、安値からの上昇幅が3,000ドルを超えることもあり、上昇一巡後は200日線をサポートに8月急落前のレンジで再び長いボックス相場が到来する展開が予想されます。

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東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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