日経平均のお盆の週と8月の月間騰落にはおもしろい関係があります。図表1は、日経平均のお盆の週と8月のローソク足の陰陽などを示したものです。

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2000年~2012年までの13年間、お盆の週に上昇すると8月の月間のローソク足は陽線(始値よりも終値が高い)になる、お盆の週に下落すると8月は陰線(始値よりも終値が低い)になる傾向が続いています。お盆の週の騰落の方向が、月末にかけての投資家心理に及ぼす影響度合いが大きいということでしょうか。そして、2013年は前回お話しさせていただいたように、週足のチャート上で重要なポイントを迎えます。

日経平均の週足の一目均衡表では、転換線や基準線が今週から上昇基調に入っています。特に順調であれば、転換線は8月最終週に強い上昇となり、株価上昇を後押しする可能性があります。9/7は2020年のオリンピック開催地が決まります。日本時間では9/8早朝となる予定です。東京で開催が決定すれば、8月後半からの上昇ムードが、5月高値(15,627円)更新につながる展開が現時点での最も強気のシナリオでしょう。それを後押しするのは週足だけではありません。月足の一目均衡表でも、9月は転換線が上昇基調を一段と強め13,170円まで上昇する計算になります。現在株価との乖離が小さくなることで、これまた株価の押し上げ要因と予測することはできます。海外投資家も東京で開催が決まれば、日本株買いを再開させるでしょう。

一方、お盆の週と8月の月間騰落の関係は、あくまでもアノマリーに準じた考え方であり、その通りになるとは限りません。足元の日経平均の軟調な動きが来週も続けば、月末に向けて6月安値(12,445円)を割り込む可能性も十分に考えられます。

さて、最近の証券会社のレポートでもみられるように、オリンピックの経済効果や関連銘柄が取り上げられています。建設や不動産、サービス業などへの経済効果(株高効果も含め)は図り知れないでしょう。ただ、落選の可能性もあるわけで、8月末までの株価の先行性や織り込み方なども、何となく気にしておいた方がいいように思います。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ