東レ(3402)の長期チャートが気になります。6月末時点までが掲載された月足チャートブックを、銘柄コード1000番台からパラパラとめくり眺めていたときに、手が止まった銘柄のひとつです。ただ、月足といっても直近十数年ぐらい昔をみても仕方がない。80年代からの年足レベルをみないと、上がりそうな銘柄を見つけることはできないでしょう。なので、月足チャートを眺めながらも、その右上に小さく掲載されている年足を同時にみるといった感じです。2012年8月ごろ、当時まだ600円台だった「スバル」こと富士重工業(7270)をみたときの感覚に似ているような。ただ、スバルほどは興奮しなかったですが・・・
東レの株価は、1989年に高値1,100円を付けたあと低迷し、2002年に230円まで売られたあと、2006年に高値を更新しました。リーマンショックを通じて350円まで売り込まれましたが、少しずつ安値が切り上がっています。
クボタ(6326)の株価は、2006年の高値1379円で1989年高値1,420円を更新できませんでしたが、ほぼ全値戻し。2006年の高値からリーマンショックを通じて328円まで売り込まれ、安値を切り上げたあと750円処から約1,000円上昇し、一気に青天井となったわけです。全体相場の流れに乗ったといえばそれまでですが、この上昇によって80年代以降のチャートパターンが一段とよくなった銘柄の1つです。
何故、東レからいきなりクボタの話になるのかといいますと、東レの足元の動きが、クボタが750円処から大きく上昇する前の動きに少し似ているのではないか、と思ったからです。
1989年の高値と2006年~2007年の高値がほぼ同じ水準の銘柄はほかにもあります。新日鉄住金(5401)がそうですが、リーマンショック直後の安値からの動きが上記2銘柄とは違うのです。安値を切り上げたか、底割れしたかの問題。その辺が今どうなのかを決めているのです。新日鉄住金を1989年高値と2007年高値を両肩として全体観を眺めると、右肩が重いような足をしていますが、東レはそうはみえないと思います(私の主観が強く個人差はあります)。クボタも上昇する前はそうでした。2009年以降上がったか、下がったかで随分違います。
仮に、日経平均がバブル崩壊後の下落相場から大転換(2007年高値を上回る)するのであれば、次の上昇局面でまた大化け主力株がひとつやふたつあってもいいように思います。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ