いつかご案内した話だと思います。米国市場の「ダウ平均」とハイテク株が主体の「NASDAQ」の長期株価推移をみますと、「ダウ平均」はリーマンショック後の安値が2002年の安値を下回ったのに対し、「NASDAQ」の方は2002年安値を切り上げるかたちで、今日までの上昇に至っています。この先、どちらが強いか?と言われれば、今の時流に流されず、「NASDAQ」と答えてしまいます。下値を切り上げて上昇が続く「NASDAQ」の方が、優位になる局面は遅かれ早かれくるはず。中長期のトレンドとしては長持ちするような気がします。

最近、日立や東芝などの重電株、電子部品株なども軒並み高値更新の様相を強めており、出遅れ探しの物色傾向が強まっています。今日は直近の高値更新に至ってない、例えば、イビデン(4062)やアルプス電気(6770)、SMK(6798)などが上昇しました。
このような短期的な動きは別としても、今後NASDAQに追随するだろう日本のハイテク株を見付け出し、仕込んでおきたいですね。

企業側は設備投資に対して、まだ慎重スタンスが多いとの見方もあります。しかし、株をやるものにとっては、株高・円安による個人消費への波及に続き、企業ベースでも設備投資が上向く、といった連想で相場を見る眼が必要です。
今月下旬から決算発表ですが、売上や利益の結果に対してどのように反応するかは、これまでの株価の買われ方や事前のアナリスト見通しなどとの兼ね合いになります。一方、設備投資に後ろ向きの発言は今の環境では出てこないでしょう。逆に、そういった銘柄が出てきたら売り、海外投資家の目には入らないから。
あくまでも投資を増やす方向性で、その積極度合いがどうか、といったレベルでしょうから、やはり設備投資関連は、これからも魅力なのです。

工作機械で総合大手、オークマ(6103)、牧野フライス製作所(6135)などでもいい。また、機械株にチャンスありと予測できるのは、ファナック(6954)の動きです。同社株は今年の大発会にほぼ寄り付き天井となり、調整が続きました。しかしながら、安値を切り上げ、このたび戻り高値を更新してきました。需給好転を背景に同社株が上昇を強めると、材料として何と書かれるか? 「設備投資に回復基調」、とあおる調査機関が出てくることが予想されます。株価の動きが材料を作るというやつです。そうなると、周辺の機械株に波及しませんでしょうか?
周知で動くべからず、リスクを取りながらでも、シナリオ仕込みが利幅を稼ぐポイントです。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ