日経平均は金融危機後の高値(2010年4月高値、11,408円)を更新したことで、バブル崩壊後の安値(6,994円)を起点として二段上げ目に入った公算が高いです。あとはTOPIXがそれに後追いできれば、より確度は高まるでしょう。

一方、11,500円前後は短期的な節目として無視できない水準です。過去の下げ相場の値幅を現在の上げ相場に当てはめる「背反値」という分析手法があります。2010年以降の値動きをそれに当てはめると、2010年4月高値~2011年11月安値までの下げ幅3,273円を2012年6月安値から上昇幅として当てはめると11,511円になります(下記の図参照)。

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また、弊社のテクニカル分析のニュースにも書いていますが、昨年6月以降の安値圏でのもみ合い期間が長かった分、11月安値以降のもち合い放れは、これまでと比較して鋭角的で上昇幅も大きくなりやすい。一般的にその先端に形成される小さなもち合いを同じ方向に放れたあとは、短い上げ幅にとどまるケースは意外と多いです。したがって、年初からの小さなもみ合いのレンジ幅分が、そのまま10,950円処からの上げ幅として生じる程度とみれば、11,450円~11,500円は上値が重くなる水準。上値余地が残ったとしても、2008年3月安値11,691円が短期的に考えられる上値の上限ではないでしょうか。

しかし、忘れてはいけないのは、「初動の上げが大きいほど、相場スケールも大きい」ということ。足元の相場が始まったのは2011年11月安値からであり、昨年3月までの初動の上げ幅は2,000円を超えました。

つまり、2011年11月安値8,135円と昨年6月安値8,238円との二番底が確定した10,255円水準を起点として、1つの大きなトレンドが形成されると考えた場合、2010年4月高値~2011年11月安値までの下げ幅3,273円を2010年4月高値に足したV計算値14,680円処を上限とする上値のターゲットは、いつになるかは別としても、あっておかしくないのかもしれません。

東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ