欧米の債務問題深刻化による外部ショックは想像を上回るものでした。1万円が遠くなってしまった日経平均ですが、8月~9月は下値買いのタイミングになるでしょうか。
東京市場は3月に急落があったせいか、7月以降の下げは欧米市場に比べて小さい。ただ、反発局面では戻り売りが強そうで、ある程度の水準まで戻るには時間がかかりそう。

米中の景況感改善がカギを握りそうです。合わせて、需給面では2月高値から3月前半の下げ局面で積み上がった買いの6ヶ月目を迎えることで、約1兆6000億円の信用買い残がほぐれてくることがポイントになると思います。

信用買い残を売り残で割った貸借倍率は先週末現在で3倍を超えています。過去の経験則は、3倍を超えてくるとなかなか株価が上昇しなくなる。直近で3倍を超えていたのは昨年8月後半。やはり、日経平均が今と同じ水準で、しばらく下値固めが続いた局面です。

タイミング的には、トヨタや本田などの輸出株の一角が直近の安値圏で推移しており、主力株の正念場といえる局面です。ドル円相場は高止まり。来週は為替市場との連動性が全体相場の反発のポイントとみています。

中小型株も7月からの急落で同じように下げましたので、短期的に需給が悪化しました。そのため、今日買って短期で利益を稼ぐといった方法が難しくなっています。たからどうしても、今のように上がっている銘柄に一極集中しやすい。「人の行く裏に道あり花の山」とあるように、今は売り込まれた好業績株の探し処かもしれません。

世界のリスクマネーは、債券や現金へと逃避した形になっていますが、いつまでも安全逃避の状態が続くわけではありません。ヘッジファンドがリターンリバーサル(売られすぎの銘柄の反転)を仕掛けてくる局面など、今後はタイミングが一段と重要となりそうです。

月足の長いチャートを遠目で無理やりみれば、日経平均は下値を9000円前後とする三角保ち合いを形成中?とみることも可能で、現在は底値固めの期間とみることもできます。  
個別株もそう。日足の短い期間で銘柄の数みたところで、7月の急落後に少し戻しているか、下げ続け安値を更新しているかのどちらか。同じ短期間で同じような値動きでも、銘柄によって意味が違うわけなので、より長い足をみて確認する必要がある局面です。チャートは遠近両用で、はじめて有効になるのです。