東電株の値動きが止まっているせいか、市場全体における個人の資金の流れも止まっているような印象を受けます。主力株は証券などの内需系や直近売られたソニーやソフトバンクなどが物色されている程度で、輸出関連株が底上げといったムードではありません。米景気指標の改善や中国の利上げ打ち止めといった状況にならないと、主力株の全体底上げといった状況にはなりづらいのでしょうか。

しかし、ギリシャ問題の懸念が一歩和らいだことで再び米景気動向が焦点に。7月は米雇用統計の発表日と7月限オプションSQが重なりますので、発表日である7月8日あたりまでは気が抜けません。

日経平均はのらりくらりの中で、2011年6月17日安値を起点に反発に転じています。私は相場基調の変化を20日安値と予想していたのですが、一営業日前の安値となりました。 20日は、5月2日高値から「33」日目を数えた日です。この数字は、一目均衡表の基本数値「9、17、26、33、42・・・」の中の一つ。「33」は「26」の補完的な数値ともいわれ、下げ相場の波動に適合する数値といわれています。実は、この「33」は、震災後に安値を付けた3月15日~5月2日高値までの日数でもあります。なので、5月2日を中心にみると、両脇に同じ日数のタイミングで安値が形成されたことになります。

次に相場基調が変化しやすいのは7月5日~6日。一目均衡表の先行スパンの片方が大きく下がるタイミングです。震災後の安値以降、先行スパンが下に大きく下げた局面は5月6日と31日の二回ありましたけど、いずれも高値を付けた近辺です。7月5日~6日は、押し目買いになるのか、戻り売りになるのか、それとも加速するのか?

米雇用統計とSQとの絡みで、相場基調に変化が生じるかもしれません。ただ、こうして記事にすると何も変わらないかもしれません、・・・相場とはそんなものなのでしょうけど。

一方、22日の大幅高によって、チャート上では9500円台中ごろに集中した節目を突破。逆に、その水準が下値サポートになる公算大です。今日も米株安で朝方は下押す場面がありましたが、6月限SQ(9553円)がサポートになって切り返す展開でした。短期的には、4月前半高値の9800円~200日線(9841円)あたりまで、伸びる可能性も出てきたとみています。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ