相場の材料とは短期的に株価を動かすニュースやデータのこと。当然の話しですが、これからの状況だと、決算発表データや生産量削減の発表などは、その企業に対する市場の見方や株価の動きを大きく変える可能性があります。

特に、今月後半から始まる決算発表は震災直後のものになるので、フタを開けてみないと分からない、といったムードが株価のもみ合い相場にあらわれていますよね。

不透明要因を打ち出す企業が多く予想され、会社側から出てくる発言やガイダンスにはより注目したほうが良いでしょう。また、それらをニュースや記事の中で結果をみることも重要ですが、会社・決算説明会を活用し、経営者の話しを直接聞くといった事も、今後のニュアンスを掴むための有効な手段なのかもしれません。会社・決算説明会での経営者の過度な強気や、ちょっとした弱気発言などにも注意は必要ですが、投資家側としてもそれ以上の情報を得られる場所はないでしょう。

今回は震災を通じての景気減速の影響を理由に、ネガティブな見通しを出す企業が多くなりそうです。できるだけ影響ないように見せる、その隠れた部分などもリスクでしょうけど、ただ、何社かあたっているうちに、景気の影響を受けない力強い企業、成長株を見つけるチャンスがあるかもしれません。

ここからは市場参加者が織り込むリスクと真のリスクのミスマッチの見極めです。株価はその時点で入手可能な情報や、世界中の人々の知識がすべて織り込まれ、半年程度先の変化を予想している(10-12月以降の回復を見込む声が多くなっていますので、株価の先行性を考えると、4-6月の間に株価の方向性は出てくるかも・・・)といわれます。

市場参加者が織り込むリスクは新聞やテレビ、経験や心理などを通じて反映されます。そして、真のリスクはこれからの価格変動に反映されます。両者は必ずしも一致しないので、その間にはミスマッチが生じます。そのミスマッチの解消がどちらに傾くか、この先の最大の株価変動要因になるでしょう。

ところで、日経平均のテクニカル分析。25日移動平均線は今日も株価のサポート機能を果たしました。順調にいけば、25日移動平均線は来週19日か20日には上昇に転じます。そこで、もみ合い相場を上に抜け出すことができるかどうか。ただし、現時点では25日移動平均線は下向きで推移していますので、それに連れて株価の下振れリスクは十分残っています。ポイントは日経平均が今の水準を維持できるかです。維持させようとする変な動き方もしているように思いますが・・・

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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