少し早いですが、“来年の相場はどうですか。”と聞かれる時期になってきましたね。「子年は繁栄」といわれ、過去60年、72年、84年の3回は年足ローソク足で陽線となりました。96年は陰線でしたが2%下がった程度です。3回の平均上昇率は50%程度となり、それだけ考えると来年は期待が持てそうですね。
米国株はどうでしょうか。NYダウの1881年から2000年までの120年間を10年単位でみると、末尾に8の付く年(1888年、1898年、1908年・・・)の平均上昇率は17.1%と、末尾に5の付く年の27.3%に次いで高いのです。また、米国の大統領の任期は4年ですが選挙の年は4年間の中でもパフォーマンスは悪くありません。しかし、どうでしょうか。今年はだいぶん荒れましたから、あと1年ぐらいはいろんな問題が出てきそうですね。

日本が不良債権で苦しんだ90年代もそうですけど、不良債権自体は景気の悪化・後退の原因ではなく、景気後退期間が長くなりデフレにおちいったために発生し、増大していったものです。サブプライム関連商品もそうです。それ自体、景気後退の要因にはならないと思いますが、もし米国景気が今後後退していった場合、まだ温存している評価損の部分(米国は評価が甘いと聞きますが・・・)が拡大する可能性もあります。それが怖いですね。株価もここまで乱高下すると、次の上昇となるには相当時間がかかりそうです。2007年の後遺症が残ることになるのでは・・・。よって、大きな上昇は期待できそうにないです。ただし、NYダウが1966年から1982年の「株式の死」と呼ばれた横ばいを抜け、上昇が続き、2000年1月に高値をつけてから、それをさらに上にブレイクしたのは6年9ヶ月後の2006年10月です。時間的には「株式の死」の時代の全調整期間の半分を通過したにとどまり、2006年10月の上昇ブレイク以降に限れば、まだ1年数ヶ月程度しか経過していません。そういった意味でも、まだまだ米国株の上昇が続くのでは、・・・と楽観すぎるのかなと最近思いますが。ただし、そのまえに1年程度はもみ合いなのでしょう。

そして、日本株は米国離れといっても、米国市場に連動した動きになります。日経平均のバブル崩壊後の安値2003年4月からの上昇は2007年7月高値で一旦調整局面に入りました。2008年相場は、2007年に付けた高値と安値の大きなレンジ内での動きが続くと考えています。2009年からの本格上昇に向けて、徐々に下値を切り上げるボックス相場でないでしょうか。12月はどこかで来年の相場見通しリニューアル版を書きます。現在のところの日経平均の年間のイメージは、3月安値、6月高値、9月安値、12月に向けてはジリ高・・・といった感じです。来年1年では今年の高値は抜けないと思います。

その間、買い方、売り方の力が拮抗する時期となり、銘柄交代の動きが鮮明に出てくると考えます。足下のリバウンドの相場の中で、そのヒントになるような動きをしているような気がします。いつの時代もパターンは同じ、今年大きく上がった銘柄は来年上がりません。今週末は、月足チャートを買って(月末ですからタイミングはバッチリですね)、今年上がってない銘柄をさっと探してみてください。いつかこのコーナーでお話したように、パラパラめくるだけで結構です。底値で三本から五本程度、短い陽線が並んでいる銘柄はありませんか。めったに見つかりません。見つけた方はラッキーかもしれませんよ。あったら是非、私に教えてください(笑)。