先週、東京証券取引所が発表した6月第2週(6月12~16日)の投資部門別売買動向で、海外投資家が2065億6852万円と2週連続の売り越しとなったことが一部で話題になっている。海外投資家は4月以降ずっと買い越しを続けてきたが、6月1週に売り越しに転じた。そこから売り越し幅が拡大したわけである。「ドル建て日経平均」ではすでに前回高値をつけた2015年夏の水準を上回っているので、海外勢は利益確定に回っている云々との観測もあるが、実際にはどうであるかというのは誰にもわからない。

何度も言っていることだが、「海外投資家」と一括りにすることがおかしくて、地域も欧米アジア中東、投資家の種類も短期のトレーディングを旨とする一部のヘッジファンドから長期の年金資金、SWF(ソブリンウエルスファンド)や投資信託など千差万別である。何よりも、終わった週の売り越し買い越しを見て、海外投資家の売買の傾向を語っても意味がない。海外投資家が「売った」というのは過去の事実で、問題は「これからさらに売るのか」という点である。そしてそれは誰にもわからない。海外投資家が売りに回ったかもしれないが、そうしたなか日経平均は年初来高値を更新し2万円台を定着させてきた。その点をもっと評価するべきだろう。

今週は3月期末配当の支払いがピークを迎える。機関投資家による配当再投資が相場の下支えになるだろう。6・12月決算銘柄の権利落ち日や月末・四半期末・半期末にも当たる。今週も相場の需給はタイトで、日経平均は2万円の大台を固める動きが続くだろう。

今週の主な予定では、26日に発表される米国の5月コア耐久財受注がまず注目される。4月のコア資本財受注は2カ月連続で前月比変わらずだった。コア資本財(非国防資本財から航空機を除く)受注は民間設備投資の先行指標とされる。これが鈍化しているということは製造業の活動が停滞していることを示唆し、米経済が第2四半期に大幅に持ち直すとの期待が後退しかねない。

次の材料は30日の5月個人消費支出。特にコアPCEデフレーターが最大の注目材料だろう。4月は2015年12月以来の低い伸びとなった。米国のインフレの弱さがFRBの継続的な利上げスタンスを懐疑的なものにしており、ドル円の頭を抑えている。コアPCEデフレーターが引き続き低迷するようだと円高に振れるリスクがある。

日本では30日に5月の失業率、有効求人倍率が発表される。4月の完全失業率は2.8%と3月から横ばいとなったが、有効求人倍率は1.48倍と、バブル期を超える約43年ぶりの高さとなった。今月も人手不足関連銘柄が物色を集めるきっかけとして注目される。

ユーロ圏では30日に6月CPIが発表される。5月は市場予想を下回ったが、今回持ち直すようであれば、ECBのテーパリング観測が強まり、ユーロ高を後押しするだろう。

日経平均の予想レンジは19,900~20,400円としたい。