アルゼンチンの政策金利が60%に引き上げられました。6%じゃありません。60%です。今回一回で15%の利上げです。インフレが止まらないところに、トルコリラ安を受けてアルゼンチンペソも大きく売られ、その中でのアクションです。
0%付近の金利に慣れている我々にとっては、違う惑星の話のように聞こえますが、国の債務が内国ではなく外国に頼っていて、かつドルを獲得する手段が限られている場合には、例えばアルゼンチンの場合にはペソ売りドル買い以外に手段がありませんから、その国の通貨は売られます。そしてそれを防衛するために、政策金利を引き上げることになります。
60%と聞くと素っ頓狂なレベルに聞こえますが、1.6の二乗でも約2.5にしかなりません。アルゼンチンの物価が、2年間で2.5倍しか上がらないか?或いはペソが、2年間で2.5分の1、即ち現在の40%にまでしか下がらないか、と考えると、60%は大した数字でないようにも思えるので、このアルゼンチン騒動は未だ未だ収まらないかも知れません。
世界経済や、先進国の資本市場に与える影響は、実質的にはとても限定的なので、心配する必要はないと思いますが、暫くは行方を見守りたいと思います。