松の内の期間は、地域によって違うようですが、東京周辺では一般に1月7日までです。江戸幕府が、松の飾りを1月7日に片付けるようにとのお触れを出したからだそうです。去年は松の内に中国ではサーキットブレーカーが2度も発動され、世界中の株式が暴落するなど、大荒れの松の内でしたが、今年の松の内は世界の資本市場は押し並べてしっかりしており、とても対照的な幕開けとなりました。
去年は年明けは世間にあまり不安感はなかったのですが、気が付くといきなり見えない角度からタマが飛んできたように、一気にマーケットは崩れました。今年はトランプや中国や欧州など、多くの不安要素・リスク要因を認識して年は明けたのですが、そうやって不安・リスクを認識しているからこそ、マーケットは上がっていきました。良くあるパターンではあります。特にトランプ次期大統領に対する不安とリスク認識がある間は、買えてない人がいるのでマーケットは中々下がらず、逆に小波を伴いながらじりじりと上がって行くかも知れません。
来週の月曜日は成人の日で祝日。かつては成人の日は1月15日と決まっていて、地域によってはそこまでが松の内だったようですが、今のように9日に成人の日が来てしまうこともあると、松の内は全国的に短くなって行くかも知れません。明日からの三連休は、正月らしさが残る最後かも知れません。トランプその他のリスク要因を再点検したいと思います。良い週末をお迎え下さい。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。