トランプ次期大統領をきっかけに、世界の様々なパワーバランスや状況が変わって来ている、変わっていくように感じます。或いは、世界の状況が変わりつつあった中で、必然としてトランプが出てきたのかも知れません。
金利は下がり続けるものだと思われて来ましたが、今は上がるものだという雰囲気が出始めています。世界的には金融緩和は続き、お金が余る状況は変わらないでしょうが、金融政策の限界がもっと意識されるようになり、成長戦略や財政政策にもっと力点が移動していく可能性を感じます。日米に限らず中国・ロシアやヨーロッパも含めた大国の関係も、ずっと変わらないと思って来たものが、これから変わっていく可能性を感じます。
こういう時は、細かいトレーディングや銘柄選びよりも、ザックリとしたポートフォリオの構成が、即ちアセット・アロケーションを、正しく決めることがとても大切です。ドル・円・ユーロ・新興国通貨、どこに多くのお金を配分するのか。
債券と株式、どちらに多くのお金を配分するのか。そういうマトリックスを考えて、どのセクターを重くし、どこを軽くするかを考え、その上で、各セクターの中で何を選ぶかを考えるべきです。投資においては、この前者のポートフォリオのアセット・アロケーション決定が投資成績の75%程度を決め、各セクター内で何を買うかの判断は投資成績の25%程度しか決めないことが、歴史的には分かっています。
トランプ政権が減税しつつインフラ投資を積極的に実行しよう、多国籍企業の在海外(アメリカから見た)利益や資金を本国(アメリカ)に送る際に掛かる税率を大幅に下げよう、という中では、お金はアメリカに流れがちで、小さい国、即ち新興国はそのあおりを受けやすく、一般に金利は上がりがち、債券は売られがちで、株式は買われがちになるでしょう。ドル・円、債券・株式という2対2のマトリックスで考えると、ドル株式、円株式、ドル債券、円債券の順番に重要となるでしょうか。ドル買い、株買い、債券売り。REITも債券的商品の一種です。
これから年末まで、FEDあり、各国首脳会談あり。ポートフォリオ構成の変更を考えるにはいい時期でしょう。当社でも役に立つ御案内をするように努めてまいります。