アメリカの大統領選挙からまだ10日も経っていないのに、風景はガラッと変わった感があります。たかが人間、されど人間。しかもアメリカ大統領という、恐らく世界で最も力のあるポジションのひとつに新しい人間が就くので、色々と風景が変わって見えてきているのでしょう。政治家の経験がないので、今までと違うことをしそうな雰囲気もあり、それがまた風景の見え方を変えているでしょう。暫くはこのトランプ劇場をテレビドラマのように楽しむのがいいでしょうか。
しかし恐らくその言動に揺さぶられて、マーケットは色々とブレるでしょう。見るのは楽しいですが、そのブレに翻弄されると大変です。ひとつ注目すべき点は、トランプが勝っただけでなく、共和党が大勝したこと。アメリカでは大統領といえども議会を無視することは出来ません。議会は納税者の代表ですから、税金をどう使うかは基本的に議会の権限です。ということは、経済政策は、基本的に共和党の方針が実施されていくことになるでしょうか。そう考えると、共和党の経済政策を押さえておくことは、ブレに翻弄されないためには肝要のことのように思われます。
もちろん税金を使わないものは別で、インフラ銀行などは議会に縛られないフリーハンドの領域を創ろうと考えているのかも知れません。一方、税金を使わないものは別なので、経済以外の領域では様々な予測不能のことや、過激な発言も出てくるかも知れません。この目立つ部分(政治的なもの)と目立たない部分(経済的なもの)の混在、そして世間の注意が前者に行きがちになるが、経済やマーケットは後者の方が重要、というたすき掛けのような構造が、大統領選当日・翌日の世界とマーケットを驚かしたのだと思いますが、このテーマは、これからもずっと続くかも知れません。中々面白いですね!