お金は、流動性と云うか、すぐに居場所を変えられるか否か、その"居場所を変えられる時間の長さ"に応じて、違う考え方をして動きます。すぐに居場所を変えられる場合は、お金は短期的な事由のみを移動の判断材料として動きます。分かり易いのは為替。特にドル円のような恐ろしく流動性も高く取引コストも低いものは、短期的な理由のみで動きます。買っても数秒後に売れるので、長い事情を勘案する意味が少ないのです。逆に一旦買ったら長く持ち続けないと売ることが出来ない制限のあるものは、長期的に見て価格が上がると信じられないと、買うことが出来ません。即ち、長い理由で動くのです。

トランプ大統領決定後の円安は何故起きたのか?アメリカの景気が良くなるから?
まだなってません。短期金利が上がるから?FEDは独立しており、利上げの確度が変わった訳ではありません。長期金利が上がったから?利率が上がった長期債を買いたいという需要が海外から上がったという可能性はあります。しかし、長期金利が上がったから、短期金利も上がるだろうから?となると、長期金利が上がったからと、実際に短期金利がこれから上がっていくと決まった訳ではありませんし、少なくとも今は短期金利はまだ上がっていません。

多国籍企業の利益・配当金・余剰資金を本国に移す際の税率を大きく下げることをトランプと共和党は政策(Homeland Investment Act)として掲げてきました。これは、共和党が大勝しトランプも勝ったので、きっと実現するでしょう。そして外国通貨をドルに換えて送金する行動が起きるでしょう。ならばドルは買いだ!
とまぁ、せっかちな元トレーダーの私は考えるのです。間違っているかも知れません。しかし巷間よく云われる説だけに耳を傾けてはいけませんよと思い、敢えて書きました。御参考までに!