香港からの帰り、久し振りにジャンボに乗りました。最後に乗ったのはいつだろう?千歳線が最後かな?かつてはニューヨークの行き来は全てジャンボで、もちろん様々な思い出があります。
無くなる直前のパンナムのジャンボでサンフランシスコからロンドンに飛んだら、大きなエアポケットに落ちて度肝を抜かれたこともありますし、楽しい思い出としては、ニューヨーク帰りの便で、2階席をオーケストラの楽団員に占領され、彼らが大飲みして小さい楽器で演奏して歌っての大騒ぎで、しかしオーケストラのスタッフがそのオーケストラのCDを持って乗客一人一人を回り、謝って、説明して、CDくれて、確かシャンパンかなんかも彼ら払いで飲ませてくれて、我々も楽しい気持ちになる、なんてこともありました。
そのジャンボ、既にデビューから50年近く経ち、製造中止も検討中で、かつ先週にはその生みの親のエンジニアであるジョー・サッター氏も亡くなりました。もう乗ることはないだろうと思っていたら、文字通り思い掛けず乗ることになりました。悠々と飛ぶ様は独特でいいのですが、恐らく悪い燃費を埋め合わせるためかすし詰め状態の乗せ方で、席は狭く、機材も古く、かつてのフラッグシップとしての輝きはありませんでした。
極め付けは着陸時で、ただでさえ大きくて重い機材に大勢乗せているのでとても重かったのでしょうし、かつ古いテクノロジーだし、機体が巨大で細かい操縦もしにくいでしょうし、とにかく着陸時のショックやそのあと停止に至るまでの挙動が、最近の飛行機では体験出来ない、忘れていた衝撃でした。飛行機を降りてデッキを出口に向かって歩く途中、窓からは乗ってきた大きなジャンボと、隣には普段乗るボーイング777があり、777がとても小さく見えました。そりゃ衝撃大きいでしょう。
もう乗ることはないかな。でもジャンボみたいな特別な存在感を持つ旅客機ももう出て来ないかな。いや、そんなことは決してないでしょう。ジャンボに替わるスターの出現を待ちたいと思います。